故郷でひとり暮らす老母と

 故郷でひとり暮らす老母とスマホでつながっている。無料でやりとりできるラインは、相手が読めば「既読」の印がつく。返信はなくてもその2文字で安心する。なかなか「既読」にならないと、心がざわつき、慌てて電話をする▼ネット上で、気軽に会話が楽しめるツイッターやラインなどのSNSは、今では生活に欠かせない。安否確認や緊急の災害情報にも役立つ。だが匿名の電脳空間には魔物も潜む▼「死にたい」「自殺」などの言葉で検索すると、おびただしい投稿が飛び交っている。「死にたい。たすけてほしいです。中学二年生です」「16歳。女。誰か一緒に死んで、もしくは殺して」。そんな悲鳴を逆手にとる残虐極まりない事件が起きた▼日本財団の「自殺意識調査2016」によると、4人に1人が本気で自殺を考えたことがあると答えた。過去1年の自殺未遂者は推計53万5000人で、20代、30代の若者が最も多い。ネットにあふれる「死にたい」は「助けて」のSOS。差し伸べる手を待つあえかな声を受け止めてほしい▼逆縁ほど親不孝なことはない。糸井重里さんに「ひとつ やくそく」という詩がある。〈おやより さきに しんでは いかん/ほかには なんにも いらないけれど/それだけ ひとつ やくそくだ〉

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