ミツマタで農福連携 障害者就労へ栽培・加工 兵庫の法人「小野の駅」

 兵庫県で農作業受託などを通じた障害者の就労促進に取り組む一般社団法人小野の駅(小野市)は、工芸作物のミツマタの栽培、加工を核とした農福連携事業に乗り出した。同県佐用町の約7ヘクタールの耕作放棄地を活用し、紙幣や和紙の原料となるミツマタを栽培。加工場も含め、「佐用ミツマタの郷(さと)公園」として整備する。同町とも連携し、中山間地の新たな特産品として地域を盛り上げていく狙いだ。
 

放棄地活用、紙幣の原料


 小野の駅は、2016年から自生するミツマタの加工に取り組んでおり、17年からは町と協力して試験栽培を進めてきた。ミツマタは、出荷するまでに皮を剥いだり乾燥させたりと、加工で10ほどの工程があり、障害者それぞれの適性に応じて作業を任せられるメリットがある。同地で課題となっている獣害に強いことも分かった。10アール当たり1万~1万5000本密植させた場合、30万~50万円の収入が見込めるという。

 国の福祉農園等整備事業を活用して公園を整備する。来春定植し、収穫は3年後になる見込みだ。加工したミツマタは、主に紙幣の原料として国立印刷局に納める予定。自生している分の加工などで18年度には約1億6000万円の売り上げを見込み、3年後には障害者や高齢者ら36人の雇用につなげることを目指す。農福連携で課題となる事業性も確保したい考えだ。

 加工場は今月から稼働させる。小野の駅の武澤利夫理事長は「山の資源であるミツマタを放棄田で栽培し特産品にしていきたい」と力を込める。

 農業の後継者不足に悩む同町は、新たな担い手確保に向けた方策としても期待する。庵逧典章町長は「中山間地が抱える鳥獣害や後継者不足といった課題を解決していく一つのモデルとしたい」と展望する。
 

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