県外含め10店販売額が安定 大分大山町農協の直売所戦略

 大分県の大分大山町農協は、農産物直売所「木の花ガルテン」を県内外に10店舗まで拡大し、安定した販路を確立する。多店舗展開によるリスク分散で、昨年4月の熊本地震で本店の来店数が激減した時も、他店の売り上げ増で乗り切った。直売事業の売り上げは今年度18億円に伸び、過去最高になる見込みだ。

 直売所は大分県6店、福岡県に4店ある。地震後の昨年5、6月に福岡県に二つの店を開いた。本店の売り上げが落ち込む中、県外店では集客増に向けた販促イベントを実施。直売所全体で15億円の販売規模を保った。「県外店舗がなければ、激減していた」(農協)。

 店の魅力は少量・多品目の多彩な品ぞろえ。大分ならではの農産物が、福岡の店舗で消費者を引き付ける。出荷者数は住民950戸の農協管内で3800人を超える。珍しい山菜やきのこ、果物、加工品などを約600品を出荷者が持ち込む。

 県外店舗でも、消費者ニーズをつかむ工夫もする。集荷場の品物を運ぶ地元の運送会社のドライバー11人が数時間、店で陳列しながら消費者の声を集める。運送会社の社長は「産地の農産物を運ぶだけでなく、消費者の反応を持ち帰り届ける。それも自分たちの役割だ」と話す。情報は店と定期的に開く会議で共有。農協の営農指導員が、売れ筋野菜の栽培提案をする際にも生かす。

 「木の花ガルテン」を担当する流通販売課の矢羽田雄一郎課長は「売り先を広げ、農家の所得向上に貢献することが直売所の役割」と明言。地震後を振り返り、「予想できない事態だったが、農家の販路を守れたのは大きかった」と、多店舗戦略の重要性を強調する。

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