これが〈世界のANDO〉なのか

 これが〈世界のANDO〉なのか。奇想天外でありながら理にかなう。あらがいながら流れに沿う。いま東京・国立新美術館で開催中の建築家・安藤忠雄展の“気迫”に圧倒された▼若い人が目立つ。きっと建築家の卵なのだろう。実際の建築を実物大で会場に展示した試みには驚く。壁を十字架の形にくり抜き自然光が礼拝者に注ぐ。代表作の一つ、大阪府茨木市の「光の教会」には、柄にもなく不思議と信仰心が湧く。確かに光の向こうには〈希望〉がある▼建築は過去、現在、未来を結ぶタイムカプセル。だから環境と調和し自然を取り込む。典型は瀬戸内海に浮かぶ香川・直島全体を覆うプロジェクト。例えば地中美術館は、開口部を除き全て土中に埋まり、周辺の景色に溶け込む一体感がある▼いつまでも“青春”の二字を胸に抱く。口癖は「リンゴは青いままがいい」。そして「赤く熟したらおしまい」と。いま心掛けるのは〈育てる〉。震災復興を目指す桜苗木植樹、子どもたちの図書館作り。青く未熟だからこそ、未来に目を向けた挑戦が続く▼きょうは二十四節気の一つ「大雪」。寒さが本格化し、北国では雪が降り積もる。浮かぶのは、札幌・真駒内の霊園にある大仏の頭だけがのぞく異色の建築物。彼の作品は厳寒の冬景色にも似合う。

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