民間でも隔離栽培 数量不足解消へ 醸造用ブドウ苗木の輸入検疫 農水省

 日本ワインのブームで深刻な苗不足に陥っている醸造用ブドウ苗の対策として、農水省は、これまで同省の圃場(ほじょう)だけで行っていた輸入検疫の隔離栽培を民間の圃場でも認める方針を固めた。輸入種苗は、植物防疫法に基づき、隔離圃場で約1年栽培し、病害虫に侵されていないことを確認してから輸入する。同省の圃場では年間1700本の確認が限界だったが、民間施設で大幅に増やすことが可能となり、苗不足の解消が期待できる。

 隔離栽培を民間の圃場でも認めるのは、花き球根とブルーベリーに続く3例目。同省の隔離圃場は、茨城県つくば市など全国6カ所あり、ブドウ苗(穂木を含む)を扱うのはそのうちの3カ所。民間施設での隔離栽培は、輸入業者らの要望を受け検討した。細部を詰め来年2月ごろの実施を目指す。

 民間で隔離栽培ができる条件として、圃場は、ガラス室など丈夫な施設で、媒介昆虫が侵入できないよう防虫網を設置、入退室時の侵入も防ぐため前室を備える。コンクリート敷きなどで、線虫といった土壌病害虫が土壌に入らない施設とする。枯れ葉や枝を滅菌処理する装置も求める。常駐できる管理人を置き、記録をする。

 植物防疫官が定期的に巡回し、検査する。葉などを持ち帰り、病害虫の遺伝子を検査するPCR法やエライザ法などを用いることで手間がかかる接ぎ木検定をやめ、民間での検査を可能にした。大学など既存施設の利用も視野に入れる。併せて、同省防疫所の受け入れも2000本に増やす。

 日本に適する品種を海外で探索し導入をしている、栃木県のココ・ファーム・ワイナリーの池上知恵子専務は「苗木不足の解消に役立ち、いろいろな品種やクローン(系統)を輸入して試験しやすくなる」と期待している。

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