[未来人材] 35歳、馬術競技で東京五輪出場目指す 岩手県八幡平市・船橋慶延さん 引退馬に活用の場を ふん堆肥できのこ栽培

馬ふん堆肥でマッシュルーム栽培する船橋さん(岩手県八幡平市で)

 岩手県八幡平市の船橋慶延さん(35)は、馬術競技の選手として2020年の東京五輪の出場を目指しながら、引退馬を引き取り、飼育費用を得るため馬ふん堆肥でマッシュルームを栽培する。栽培が軌道に乗るまでには苦労したが、引退馬の新たな活用法確立へ奮闘。今後、自家調達馬ふん堆肥100%での栽培に移行し、大会での出場と食材提供をダブルで目指す。

 「せめて自分が関わった馬の面倒は見たい」

 大阪市出身の船橋さんは、北海道や栃木県の競走馬の生産、育成牧場などで働きながら、馬術競技で五輪出場を目指してきた。

 東日本大震災で経営が厳しくなった知り合いの馬の観光牧場を手伝うため、12年に八幡平市に移住。震災で経営が悪化し、馬の飼育経費の問題に直面した。

 引退した競走馬は多くは食肉に加工される。ただ馬術競技や調教など、馬との関係を大切にしてきた船橋さんは、他の方法を模索。馬ふん堆肥でマッシュルームを作れると聞き、14年に牧場を同市に設立。15年にマッシュルーム栽培を始めた。

 ただ、当初は毎月安定した量を収穫できなかった。出荷量を確保できず、取引も打ち切られた。しかし「安定的に出荷できるようになれば、馬が必要となる」という思いが船橋さんを支えた。16年に千葉の農家の技術支援を受け、昨年は毎月5トンを安定的に収穫できるようになった。

 今は馬16頭の飼育では堆肥が足りず購入するが、今年から自家産堆肥で栽培を始める。20年までに飼育頭数を増やし、100%自身の牧場の堆肥で栽培し、東京五輪・パラリンピックの食材提供を目指す。「馬術競技で出場し、選手村で自分のマッシュルームを食べたい」と、夢を描く。(塩崎恵)

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