仲間と産地守る 若手グループの中心メンバーに 岡山県勝央町で就農 トルコ出身ブドウ農家ソイル・アリさん(37)

仲間の助けで台風被害から復旧したブドウ棚で笑顔を見せるアリさん

 岡山県勝央町のブドウ農家、ソイル・アリさん(37)は、22歳でトルコから同町に居を移し、今は地域農業の担い手として活躍している。新品種や技術を率先して取り入れ、産地活性化に尽力したことなどが評価され、県内の青年農業者に贈られる矢野賞を昨年受賞した。今後も地域に根を張り、自らの経験も踏まえ新規就農者らを積極的に育てていく考えだ。

 大阪出身の妻との結婚を機に来日。トルコの実家ではワイン用ブドウを栽培しており、日本語が分からなくてもできる仕事として、農業を選んだ。ブドウ栽培ができる環境を探す中、岡山産「ニューピオーネ」のおいしさに衝撃を受け、大阪にも近く学校やスーパーなどが整っている同町に移住した。

 食味の良さもさることながら、値段の高さにも驚いたというアリさんだったが、実際に栽培してからは当たり前と思うようになった。トルコでは広い面積であまり手間をかけず栽培するが、日本は正反対。「私たちにもできると軽い気持ちで考えていたが、簡単ではなかった」と振り返る。

 農家で研修を受け、2005年に就農した。日本語や農薬の種類の多さ、施肥のタイミングに苦労しながらも「ピオーネ」中心の地域で先駆けて「瀬戸ジャイアンツ」を導入。直売所をつくり、自身の顔写真をデザインしたオリジナルシールや箱も作るなど、自分なりに工夫を凝らしてきた。

 現在は87アールで「ピオーネ」「瀬戸ジャイアンツ」「シャインマスカット」などを栽培。16年度の県共進会「オーロラブラック」の部で知事賞に輝くなど、栽培の腕を上げてきた。若手農家グループの中心メンバーとなり、新技術の導入試験や、高齢農家のビニール被覆など労働支援にも取り組む。

 今の目標は産地を守ること。昨年は台風21号で自身のブドウ棚が倒れる被害が出たが、仲間の助けで乗り切った。グループ存続のためにも若者の参入が欠かせない。新規就農者には「言葉も分からなかった私ができたんだからできるよ」とエールを送る。地域の力を借りながら自分の経験をできる限り伝え、産地の発展に貢献していく覚悟だ。

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