輸入牛肉の月齢制限撤廃 経済対話で米国要求 24、25日 事務レベル会合

 トランプ政権が日本との経済対話で、米国産牛肉の月齢制限の撤廃やポストハーベスト農薬(収穫後の農薬処理)の定義見直しなどを要求していることが16日、分かった。日米両政府は24、25の両日に東京都内で事務レベル会合を開く方向で調整しているが、これらが主要議題になる可能性がある。食の安全に関わる問題だけに科学的な観点から毅然とした対応が求められる。

 複数の交渉関係者が明らかにした。日本は牛海綿状脳症(BSE)対策のため、米国からの輸入を「30カ月齢以下」の牛肉に限っている。トランプ政権は、米国が国際獣疫事務局(OIE)にBSEのリスクが「無視できる」国に認定されていることを理由に、月齢制限の撤廃を求めている。

 防かび剤などのポストハーベスト農薬は、日本の制度では食品添加物に当たり、収穫前に農薬として使われる場合の残留基準と別に、安全性の評価や使用基準の設定が行われる。米側はこうした審査過程が煩雑だとして、手続きの合理化を求めているとみられる。

 いずれについても日本政府は、科学的な観点から慎重に対応する方針だが、米側は「早期の政治的解決を迫っている」(交渉筋)という。

 米側の農業分野の要求項目には他に、8月に発動した牛肉の緊急輸入制限措置(セーフガード)の見直しや羊肉の輸入解禁、食品添加物の見直しなどが挙がる。日本は、東日本大震災時の原子力発電所事故を受けた農産物の輸入規制の緩和や牛肉の低関税輸入枠の拡大などを求めている。

 麻生太郎副総理とペンス米副大統領は昨年10月の第2回経済対話で2国間の貿易問題について「さらなる進展を達成するための作業を強化する」ことを確認。今回の事務レベル会合は、経済対話の「作業部会」との位置付けで、2国間貿易や投資について集中的に議論する。斎藤健農相は16日の閣議後の記者会見で、具体的な議題は「調整中」としたが、農業分野も俎上に載せられる見通しだ。

 ペンス副大統領は2月の韓国・平昌冬季五輪の開会式に合わせて6日にも訪日。事務レベルでの調整次第では、麻生副総理と貿易問題について協議する可能性もある。

 米側が2国間の自由貿易協定(FTA)交渉入りをちらつかせて、強く譲歩を迫ってくる恐れがある。自民党農林幹部の1人は「毅然として対応すべき」と警戒。野党農林議員は「FTA交渉の前から、農業分野で“前払い”させられたのでは目も当てられない」と注視する。

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