10分ごとに気象予測 自然災害リスク軽減 「京」使い理研など

 理化学研究所と気象庁気象研究所は、気象衛星「ひまわり8号」の膨大な観測データをスーパーコンピューター「京」で解析し、10分ごとに気象予測を更新する手法を開発した、と発表した。台風や集中豪雨、河川の氾濫など気象災害の予測への有効性を確認した。今後、予測データを有効活用できれば、気象災害リスクをいち早く捉えた防災対策につながる可能性がある。

 2015年7月に運用が始まったひまわり8号は、10分ごとに地球全体を撮像し、7号の50倍のビッグデータを送信する。ただ、現在の気象予測では、こうした高頻度で膨大なデータを活用しきれないことや、精度の向上が課題となっている。

 研究では、地球から放射される赤外線の明るさを示す「赤外線放射輝度データ」を、全天候で予測に利用することに世界で初めて成功した。実際に起こった気象災害をモデルに、「京」を使って10分ごとにシミュレーションした。15年の台風13号で行ったところ、台風の詳細な構造を再現することに成功し、台風が急発達していく予測が実際の観測データにより近づいた。同年9月の関東・東北豪雨の場合も、12時間後に予測される大雨の位置や範囲、鬼怒川の流量予測が大きく改善した。

 研究グループは実用化に向けて、今後はシステム構築といった技術研究や評価検証などが課題となる。理化学研究所データ同化研究チームの三好建正チームリーダーは「得られた研究の成果を、実社会に役立てたい」と話す。

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