18年問題の行方 国内外で揺れ動く農業

 今年は、11月の米議会中間選挙を基軸に「政治の季節」を迎える。国内も今秋の自民党総裁選を巡り政治的駆け引きが活発化する。国内農業は農政改革が続き、JA自己改革の加速化も問われる。課題が山積する「2018年問題」で、国内外で農業は揺れ動く。どう安定を図るかが問われる一年だ。

 世界を主導する国がなくなる「Gゼロ社会」を提唱した米国の政治アナリストのイアン・ブレマー氏。今年の世界の十大リスクの筆頭に、「中国は真空状態を愛す」を挙げた。“真空状態”とは自国主義のトランプ政権の下で米国の存在感がさらに低下する国際環境を示す。こうした中で、中国の影響力が一段と強まるとの見立てだ。

 まず「18年問題」を左右する国際的な政治と経済の動き。頭文字から「新TPP」とも言える3カ国の指導者から目が離せない。トランプ、プーチン、北京(習近平)はそれぞれ政治的な節目を迎える。3月18日にロシア大統領選、今秋には中国共産党中央委第3回全体会議(3中全会)、そして11月6日の米中間選挙の行方だ。結果次第で、対日姿勢にも変化が出る。中間選挙を前に米国は今夏には「政治の季節」に入り、対日圧力が強まるのは必至だ。

 通商協議は多国間主義が大きく揺らいだままだ。米国抜きの参加11カ国による環太平洋連携協定(TPP)11は、早ければ3月にも署名式を行う。日欧経済連携協定(EPA)も19年の協定発効を目指し7月に首脳会合で署名する可能性がある。国内農業へ一層の自由化の荒波が押し寄せるのは間違いない。

 一方で国内での「18年問題」はどうか。9月の自民党総裁選で安倍晋三首相が3選するのか。「ポスト安倍」をにらんだ政治的な動きが表面化する。

 国内農業は4月、米と酪農で制度が様変わりする。今年産米から国の生産数量目標の配分を廃止した。農業での「18年産問題」は生産調整の抜本見直しを指す。酪農は改正畜産経営安定法施行に伴い、指定生乳生産者団体(指定団体)への生乳一元集荷の仕組みを見直す。米は地域段階で主食米の需要に応じた生産、水田フル活用の実効性が問われる。酪農は引き続き指定団体への結集が欠かせない。いずれも需給調整と価格の安定が課題である。

 規制改革論議の行方にも注意が必要だ。農政改革の際し、毎年新たな難題を突き付けてきた。中家徹JA全中会長は、今年をJA自己改革を完遂するための年と位置付けた。その意味では、「自己改革18年問題」と言ってもいい。

 今年は日本にとって大きな歴史の節目である。明治維新から150年、大正時代に起きた米騒動から100年を迎える。改元が近づく「ポスト平成」をどう描くのか。

 「18年問題」は、国内外の山積する課題解決の“突破口”とも位置付けたい。

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