TPP・EPA 対策巡り与野党論戦 予算委きょう審議入り

 国会は29日、衆院予算委員会が始まり、与野党の論戦が本格化する。環太平洋連携協定(TPP)や、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の国内農業対策費を含む2017年度補正予算案が審議入りする。対策に加え政府の影響試算の検証と内容の是非が焦点となる。

 政府・与党は補正予算を2月初め、18年度予算を3月末までにそれぞれ成立させる構え。予算委員会は29、30の両日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して質疑を行う。

 補正予算案のうち、TPPと日欧EPAの対策費は3170億円。欧州産の輸入拡大で影響が懸念される国産チーズの競争力強化策や、農地の大区画化を進める農業・農村整備(土地改良)事業などに重点配分した。

 政府は、米国を除くTPP参加11カ国による新協定(TPP11)によって、農林水産物の生産額が900億~1500億円、日欧EPAで約600億~1100億円減ると試算した。特に牛肉、豚肉や乳製品など畜産物の影響額が大きい。

 一方、国内対策の効果で、生産量は維持されると説明している。野党農林幹部は「あり得ない計算で、生産現場に対して無責任だ」「影響を過小評価している」などと批判。対策を前提に試算する手順も「本末転倒だ」(同)として国会で厳しく追及する構えだ。

 ただ、昨年の衆院選で民進党が分裂し、野党の勢力は分散。国会での統一会派の結成も頓挫し、安倍政権「1強」の構図はむしろ強まり、審議は政府・与党ペースで進む見通しだ。安倍首相は施政方針演説でTPP11と日欧EPAの早期発効を目指す考えを表明した。その後、TPP11交渉が最終決着し、参加国は3月8日の署名を目指すことで一致した。

 一方、トランプ米大統領がTPP復帰の可能性に言及するなど、農業を取り巻く状況は予断できない。両協定の発効の見通しや今後の安倍政権の通商戦略なども問われそうだ。

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