TPP特別委設けず 国会審議 短縮の恐れ

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の承認案と関連法案の国会審議について、政府・与党は特定の案件を集中的に審議する特別委員会を設置しない方針を固めた。内閣、外務の両常任委員会で審議する方向だ。ただ、常任委員会は、他の法案審議にも時間を割かなければならないため、十分な審議時間を確保できない恐れがある。

 TPP11を巡っては、1月23日まで東京都内で開かれた11カ国の首席交渉官会合で協定文が確定。政府は3月8日のチリでの署名式を経て、開会中の通常国会に承認案と関連法案を提出する方針だ。

 米国離脱前の12カ国が参加する元のTPPについては、衆参両院で特別委員会を設置し、計130時間審議していた。だが、常任委員会での審議となれば、特別委員会に比べて審議時間の大幅短縮は避けられない見通しだ。

 今回のTPP11は、元のTPPの規定のうち、米国の強い要求で盛り込まれたものを中心に22項目を凍結して、米国抜きでの発効を可能にする内容。関連法案は、既存のTPP関連法案の施行日を、TPP11の発効日に改正するのが柱だ。

 元のTPPは2016年12月に臨時国会で承認された。政府・与党はこれを理由に「内容を一から審議をする必要はない」(自民党関係者)として特別委員会の設置は不要と判断した。

 農業分野の凍結項目はないため、農林水産委員会での審議も「想定していない」(同)。政府側には審議時間が限られる中で同委員会には9本の農林水産関係法案の審議を優先させたい事情もある。

 ただ、日本政府は農産物について、米国の将来復帰を前提に元のTPPの市場開放水準を修正せず、11カ国にそのまま容認した。国会審議では、合意を優先した政府の交渉姿勢や農業への対応の是非についても十分な評価と検証が求められる。

 野党は、委員会審議に先立って本会議で趣旨説明と質疑を行い、首相が答弁する「重要広範議案」への指定も視野に徹底審議を求める構えだ。

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