公取委に「不当」通知 買いたたき監視強化 食品流通法改正案

 農水省が今国会に提出する、食品流通業者の事業再編を支援する「食品流通構造改善促進法」の改正案の骨子が分かった。国が事業者の取引を定期調査し、スーパーによる買いたたきなど、不公正な取引があれば公正取引委員会に通知する。不公正な取引をなくすため、国の役割を法律で定めるのは初めて。国の関与を強める。事業再編に対する金融支援も拡充。農産物など食品流通の適正化、効率化で中間コストを削減し、農家の所得増につなげる。

 農水省は食品流通全体の合理化に向け、通常国会に、同法の改正案と卸売市場法の改正案と合わせて提出する。改正案では新たに、農相が食品事業者の取引状況を定期的に調査し、調査結果をもとに指導・助言することを定める。スーパーによる買いたたきや流通拠点の利用料、協賛金の不当な徴収、産地側が法外な値段設定で買い取らせるなど、不公正な取引があった場合は、公取委に通知することも盛り込む。

 国による食品の取引状況に関する調査や指導・助言を法律で規定するのは、福島復興再生特別措置法での風評被害の防止に関する規定を除けば、初となる。食品取引に関する公取委への通知を国が行うとの規定も、これまでの法律にはない。

 食品流通の効率化を目指す政府の農業改革議論では、日持ちしない生鮮食品等は売り手の立場が弱くなりがちな上、スーパーなど小売り側の買いたたきが激化しているといった声が関係者から相次いだ。同省は食品流通の調査や、不当な取引の公取委への通知などは従来も通常の業務として随時行ってきたが、調査の定期的な実施や公取委への通知を法律に定めることで、監視を厳正に行う姿勢を明確にし、関係業界に適正な対応を促す。

 食品流通の合理化に関する基本方針も定める。基本方針では、流通の効率化や品質・衛生管理の高度化、情報通信技術の活用、海外市場の開拓などを規定。事業者はこうした方針に沿って合理化計画を立て、国から認定を得られれば、日本政策金融公庫の低利融資や食品流通構造改善促進機構の債務保証など従来からの施策に加え、農林漁業成長産業化支援機構(A―FIVE)の出資も受けられるようにする。

 法律名は「食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律(仮称)」にし、公布から半年を超えない範囲で施行する。施行5年後の見直し規定も設ける。

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