米商品相次ぐ値上げ 人手不足が主因? 人件費の影響大原料費は限定的

 業務用米の価格上昇を主な要因として、外食や食品メーカーが米飯商品の値上げに相次いで踏み切っている。だが、2017年度に価格改定をした牛丼やパックご飯などを調べると、米の値上がり以上に、人手不足による人件費の高騰の影響が大きいことが分かった。飼料用米の増産などを取り上げ、値上げの要因を生産側とする報道もあるが、商品の値上げ幅に占める原料米価格の影響は限定的だ。

 農水省によると、外食などの業務需要のある米は、相対取引価格で玄米60キロ1万3500円前後(16年度調査)とされる。17年産は米価が上向いてきたことで低価格の銘柄でも同1万5000円となっており、1割程度高い。そのため食品メーカーや飲食チェーンは業務用米の価格動向を値上げの主因に挙げる。しかし、1割の値上がりを玄米100グラムに換算すると約2・25円にとどまる。例えば、大手牛丼チェーンは昨秋、牛丼の特盛りを50円値上げして630円にした。大盛りのご飯を計測したところおおむね1食360グラム前後で、玄米換算すると約180グラム。原料米が1割高くなっても1杯に影響する金額は約4円とわずかだ。

 外食や食品メーカーが値上げを進めるのは、深刻な人件費の高騰が関係していることを数値が示している。民間調査研究機関のジョブズリサーチセンターによると、12月のアルバイト・パート募集時平均時給は三大都市圏で1030円。近年は上昇傾向で、5年前より7・7%上昇した。

 飲食サービス業は人件費が経費の2、3割を占めるとされる。仮に、先の特盛り牛丼を例に1杯当たりの人件費を推計すると約150円、上昇分は同12円程度に相当する。値上げ幅(50円)に占める割合は約24%程度となり、米の値上がりより、商品価格への影響が大きい。

 昨秋以降に大手メーカーが相次いで値上げを発表したパックご飯の内容量は主に1パック 200グラムで、値上げ幅は各社とも1パック 10~15円だった。1パック に使用する玄米は100グラム相当で、玄米の値上がり分だけみると1パック 2・25円程度と小幅となる。
 

身近な食品意識敏感に


 同センターを運営するリクルートジョブズは「飲食、食品製造業はアルバイトの比率が高く、人件費上昇の影響を受けやすい」と説明する。人件費や物流費の上昇は消費者が実感しづらい一方で「米は身近な食品で、値上がりを意識する消費者が多い」(首都圏の米卸)との指摘がある。そのため、企業は商品価格引き上げの理由を米の値上がりと説明し、消費者の理解を求めているとみられる。(水澤潤也)

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