JA 地域活性化 協同の価値発信しよう

 高齢者福祉や食農教育、交流活動に取り組むJAは着実に伸びている。地域に根差す協同組合として信頼を高め、JAへの理解にも結び付けたい。

 地域活性化は、農業者の所得増大、農業生産の拡大とともに、2015年の第27回JA全国大会決議の基本目標だ。自己改革の最重点課題と位置付けられる他の二つに脚光が当たりがちだが、JAが地域を支え、存在感を発揮する際になくてはならない視点だ。

 地方では、高齢化や担い手不足で集落機能が低下する一方、地域経済が停滞するなど厳しい環境に置かれているところが多い。こうした中で、JAグループとして地域活性化のため、総合事業を生かし、生活インフラとしての役割を発揮する。食農教育や高齢者福祉、生活文化活動、地産地消などのJAくらしの活動の展開を掲げている。

 2017年度全JA調査から、くらしの活動の取り組み状況をみると、「食農教育・交流」に取り組むJAは92・9%で前年比4ポイント増。「生活文化活動」や「地産地消」も9割に達している。数字が高いながらも、いずれも前年よりも伸びているのが特徴といえる。特に食農教育では「地元農産物の学校給食への供給」「JA見学の受け入れ」は8割まで伸びた。胸を張れる数字だ。

 地域活性化に結び付くイメージをアピールしやすいのが交流事業だ。農業体験の受け入れや産学官連携・交流、婚活事業といった取り組みをするJAも3、4割程度を占め、こちらも増えている。

 全中はこうした傾向について、農業・農村への関心が高まっていることに加え、JAグループとしてもノウハウが蓄積できたためとみている。

 地域活性化の手段は多岐にわたる。訪日外国人の受け入れや農村民泊、婚活事業など新たな活動も出てきた。課題は地域によって異なる上、JAの持つ資源も違う。今後、地域に合った手法で進めることが大切だ。

 決議では、地域活性化の核の一つとなるJAくらしの活動について、実践過程で新たなJAの利用者や地域農業の応援団づくりを進めるとしている。取り組み次第では、組合員が積極的にJA運営に参画するアクティブメンバーシップにもつながる契機になるだろう。

 そのためには、単なるイベントにとどまらせない工夫も必要だ。JA組合員、役職員、地域住民が触れ合う貴重なチャンスとして捉えたい。まずは少しでも互いが触れ合える機会を増やす仕掛けをつくることだ。さらに参加者との会話を通じて「JAとしての食や農へ果たす責任」や「協同組合ならではの活動であること」をどんどん伝える場としたい。

 自己改革に関連し、自らのJAや協同組合を発信する重要性は高まっている。地域に活力を生むとともに、JAを発信する場にしたい。

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