日本産水産物輸入規制 韓国は協定違反 WTO紛争小委

 世界貿易機関(WTO)の紛争解決小委員会は、韓国による日本産水産物の輸入規制がWTO協定違反だとして、韓国に是正を求める報告書をまとめた。東京電力福島第1原子力発電所事故を受けた農林水産物・食品の輸入規制について、WTOが判断を示したのは初めて。日本の主張を受け入れる結果となった。日本政府は今回の判決を受けて、各国が行う日本産輸入規制の緩和への働き掛けを強化する。

 紛争解決小委員会は裁判の1審に当たる。報告書では、韓国による福島、茨城など8県産の水産物の輸入禁止措置について、リスクの度合いに対して過剰に厳しい規制であり、WTOの衛生植物検疫措置(SPS)協定で禁止する「恣意的または不当な差別」に当たると判断した。日本産の全食品に対して韓国が行う放射性物質の追加検査要求についても、同様の判断を下した。

 今後、全加盟国による紛争解決機関が1審の報告書を承認すれば、WTOの最終決定となるが、韓国が上訴すれば、2審に当たる上級委員会で検討を継続。2審の結論は90日以内に決定することになっているが、それ以上長引く可能性があるという。

 韓国は原発事故を受け、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の8県のヤマメやスズキなど一部水産物の輸入を禁止した。2013年9月には汚染水漏れを理由に、禁止対象を8県の全水産物に拡大。さらに日本産の全食品に対して、セシウムなどが微量でも検出された場合に他の放射性物質の検査報告書を求めるなど輸入規制を強化していた。

 日本はこれに対して、「日本産食品に含まれる放射性物質の含有量が韓国の基準値を超える可能性は、韓国産や他国産と同様に低い」として、WTOに提訴していた。

 原発事故から約7年たつが、香港や中国など28カ国が、輸入規制を続ける。日本政府は輸出額1兆円を目指すが、輸入規制が課題となっている。

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