TPP11 米国復帰優遇せず 条文の暫定和訳公表 政府

 政府は22日、米国を除く11カ国による新協定「環太平洋連携協定(TPP)11」の条文の暫定和訳を公表した。米国の復帰を促すような優遇規定はなく、仮に米国がTPP11への加入を希望した場合、他の新規加入を希望する国と同様に扱う。日本など先にTPP11に参加する国が、米国の加入を判断する仕組みとなっており、TPP復帰の条件に協定見直しをちらつかせる米国をけん制する狙いがあるとみられる。

 11カ国は昨年、米国の離脱を受けて、米国を除くTPPの発効に向けた交渉を始めた。5月の閣僚声明では、米国の参加を促す方策を探ることを確認。米国の復帰を前提にした新協定の合意を目指していた。だが、結果的に、条文には米国の復帰を優先させるための規定は盛り込まなかった。

 TPP11では、新規加入について発効後に協議する。米国がTPP11に参加するには、先に国内手続きを終えた締約国と事前協議し、合意を得ることが条件となる。交渉関係者によると、米国は元の協定に参加していたが、優遇規定がないため、タイや台湾など他の国・地域が参加を希望した場合に、「米国も同様に、列の順番に並ぶことになる」と言う。

 TPP11では、元の協定内容のうち22項目の効力を凍結することになっており、この中には医薬品のデータ保護期間の規定など米国が強く主張した項目もある。今回公表した条文では、この凍結を解除する場合、各国の議会承認などを経て協定を修正することを盛り込んだ。米国がTPP11に復帰する場合は凍結解除を求めるとみられるが、各国の国内手続きを経た協定修正が必要になる。

 条文の第1条には、TPP11の協定内容は、基本的に元のTPPの協定内容を踏襲する一方、「必要な変更」を加えることも明記した。これに基づいて、日本が受け入れた7万トンの米の無税輸入枠など、各国が米国と約束した内容は協定内容から除かれることになる。

 11カ国は、3月8日にチリ・サンティアゴで署名式を開き、条文を最終確定させる。その後、各国が議会での承認などの手続きを進め、6カ国が終えれば発効する見通し。

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