「乱世の奸雄」として語られる曹操だが

 「乱世の奸雄」として語られる曹操だが、実像は違う▼『三国志』の著者・陳寿をして「超世の傑(傑物)」と言わしめ、学者、詩人としても第一級だった。毛沢東がこの人を好んだ。中国では広大な国家を安定させる強い指導者が好まれる傾向があり、〈天下三分の計〉で国家統一を妨げた劉備はさほど人気ではないと、知人から教えられた。国家主席の任期撤廃で長期政権に手をかけた習近平氏。一段の〈集権〉を後世はどう評価するか▼曹操の有名な事績に〈求賢令〉がある。今で言う人材公募のことで、こんな簡潔な指令を発した。「ただ才のみ挙げよ(唯才是挙)」。征服地では必ず人材を発掘し、使えるとみたら敵味方、身分人柄を問わず登用した。宮城谷昌光氏の『三国志』によれば、曹操の天下取り戦略は「人に拠る」。人材を多く得た者が乱世を制す▼来春採用の学生の就職活動が本格的に始まった。空前の「売り手市場」と言われ、現代もまた人材の獲得競争が過熱している。専門人材から単純労働まで、至るところで働き手が足りない。大都会に人材を供給してきた地方こそ深刻で、高校卒の就職志望者には「新・金の卵」の別名が付けられるほど。時代は巡る▼仕上げの年とされるJA自己改革。成果も大事だが、人に着目したい。 

 

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