野菜高騰 食卓に異変? 頻度減る鍋物で明暗

 異常気象による野菜価格の高騰で、スーパーに並ぶ鍋物商材の売れ行きに明暗が分かれている。きのこ類やトウミョウは価格変動が少ない点を売りに、売り上げを伸ばす一方、豚肉と豆腐は苦戦が続いている。消費者が鍋物を食べる頻度が減るなど、食卓の様相が変わっている。
 

きのこ好調 豚肉苦戦 


 昨年10月に相次いだ台風に加え、11、12月は低温と少雨、今年1、2月には豪雪に見舞われた。野菜価格は高騰し、その影響は今も続いている。

 スーパーでは高騰した野菜の売り場を狭め、きのこやトウミョウの売り場を広げる動きが相次いだ。きのこの生産・販売を手掛けるホクト(長野市)は「マイタケを中心にスーパーからの引き合いが強く、卸値は2割近く上がった」と説明する。同社の1月の売上高は49億円と前年実績を12%上回った。

 また、トウミョウを生産する村上農園(広島市)は、1月の出荷量が前年同月比7割増の1500トンと大きく伸び、単月で過去最多を記録した。同社は「値頃感に加え、鍋やスープに合うことから、食卓で利用される機会が増えたのではないか」と分析する。

 一方で、豚肉と豆腐は苦戦している。東京都内のスーパーは、豚肉部門のバラ肉など鍋物商材の2月売上高が前年同月を15%下回った。「年明けから極端に売れなくなった」と精肉バイヤー。

 豚枝肉相場にも影響が出ている。東京食肉市場の上物価格は2月後半から急落、同月末に1キロ400円を約4年ぶりに割り込んだ。前年同期を3割下回った。都内の仲卸業者は「大手スーパーから注文が減った」と明かす。

 鍋物に欠かせない豆腐も野菜高騰のあおりを受けている。冬場は、鍋物料理や煮物が消費を引っ張るが、「鍋用の焼き豆腐の販売が特に鈍い」(首都圏の豆腐メーカー)という。

 都内のスーパーは「鍋物商材の売り上げ点数が、2、3割減っている。鍋物が食卓に上がる頻度が少なくっている」とみる。新聞ちらしに掲載する商材をハクサイやダイコンを減らす一方、ジャガイモやタマネギなどを中心にしているという。

 野菜価格は11月から4カ月以上にわたり、高値が続く。2月下旬のキャベツの日農平均価格(大手7卸のデータを集計)は平年の2・5倍、ダイコンは2倍だ。農水省は、ダイコンは3月後半に高値が和らぐが、キャベツやハクサイは高値が続くとしている。(音道洋範、鈴木薫子、玉井理美)

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