“経営の神様”を貫く信念は

 “経営の神様”を貫く信念は〈水道哲学〉と称された。企業の使命は「水道の水のように良質で安価なものを量産すること」と。きょう、松下幸之助が立ち上げたパナソニックが創業100年を迎える▼パナソニックは世界的にも知られた〈産業界の巨人〉だろう。だが、この大企業にも100年に一度というパラダイム・シフト、大転換の大波が押し寄せる。同じ創業100年の森永乳業・宮原道夫社長に聞くと「今後はこれまでの100年とは全く違う」と言う。スピード感と時代の先を見る目が存廃を決めかねない▼日本型総合電機は明らかに〈落日〉を迎えた。三洋電機はブランドがなくなり、シャープは台湾資本の傘下に。140年余の歴史を持つ東芝は事実上の解体が進む。祖業である家電の延長線だけでは次の100年どころか10年先も安泰でない▼幸之助はかつて米誌『タイム』の表紙を飾り、『ライフ』は「実業家であり思想家でもあるパイオニア」とたたえた。カリスマが94歳の生涯を閉じたのは、〈昭和〉が終わり〈平成〉が始まった1989年。その後、同社は激動の時代に揺れるように迷走を続けた▼「会社は公器、仕事は公事」「素直な心で生きる」「自省が道を示す」。幸之助語録は“今”でも通じる100年の教えである。

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