全世界向け牛肉SG 米国復帰なら廃止 TPP11で当面存続

 政府は米国を除く環太平洋連携協定(TPP)11カ国による新協定「TPP11」で、協定加盟国以外からの牛肉輸入に対するセーフガード(緊急輸入制限措置=SG)を存続させる。元の12カ国の協定では発効後に廃止するとしていたが、TPP11には主要輸出国の米国が入っていないためだ。仮に米国がTPPに復帰した場合は廃止する方針だが、国内農業を守る国境措置の見直しだけに、改めて丁寧な議論が求められる。

 内閣官房TPP等政府対策本部の担当者が、13日の自民党TPP・日EU等経済協定対策本部の会合で説明した。

 米国を含むTPP12で日本は段階的な関税削減を受け入れ、SGを設定。協定加盟国以外からの輸入急増に対応するSGは廃止することが決まっていた。参加国の米国やオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどが対日輸出のほぼ全てを占めており、政府は、廃止しても問題ないと判断した。

 TPP11には日本の牛肉輸入の4割を占める米国が加盟していない。仮に協定加盟国以外向けのSGを廃止すれば、米国産牛肉の輸入急増に歯止めをかける措置がなくなる。このため今回は廃止を見送り、関連法案の一つの関税暫定措置法で引き続き措置する。

 SGは、全世界からと、経済連携協定(EPA)の未締結国からの累計輸入数量の両方が、前年度の四半期ごとの累計輸入数量の117%を超えると発動する。米国などEPA未締結国を対象に関税(38・5%)が50%になる。米国産の輸入増を背景に昨年8月に発動し、3月末まで続く。

 TPP11の枠内では、関税を段階的に減らし、16年目に9%まで削減。SG発動時の税率は15年目に18%にし、16年目以降は1%ずつ削減。4年間発動がなければ廃止となる。

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