業務野菜卸と提携 国産拡大へ産地づくり 全農

 JA全農は22日、業務用野菜卸の国内最大手・デリカフーズホールディングス(東京都足立区)との業務提携に合意したと発表した。業務用野菜の契約産地づくり、物流網や拠点施設の共同利用など、幅広く協力し合う。農家所得の増大に向けた事業改革の一環。加工・業務用野菜の需要が高まる中、全農は外食や中食への販路を持つ同社との提携で、青果物の直接販売を強化する。

 国内の野菜需要のうち加工・業務用の割合は増加傾向で57%を占めるが、国産割合は71%にとどまる(2015年度)。この分野への販路を拡大したい全農と、カット野菜を含めて外食・中食業者と幅広く取引し、安定的に野菜を仕入れられる産地を確保したいデリカ社との利益が一致した。資本提携はしない。

 両者の提携の核になるのは、業務用野菜を契約栽培する産地の育成。経済連や全農県本部、JAを通じ、キャベツやタマネギ、レタスといった品目を周年供給できるよう、水田転作を含め全国で産地を開拓する。デリカ社は必要な品質や品種など顧客のニーズを産地に伝え、需要に応じた生産に生かす。

 全国的な物流の窮迫やコスト上昇を踏まえ、双方が持つ物流網や拠点施設の共同利用も進める。デリカ社も物流会社を傘下に持ち、野菜を運ぶトラックや各地の物流センターなどの共用を想定。この他、①契約産地の農業生産工程管理(GAP)導入支援②野菜の機能性の研究③収量予測や在庫管理システムの開発──などにも取り組む。

 全農は事業改革で、園芸品目の直接販売を16年度の3067億円から24年度に5500億円に拡大する目標を掲げる。「全農は家庭用中心だったが、業務用野菜の需要はさらに拡大が見込まれる。最大手との連携で販路を拡大し、産地の生産振興に結び付けたい」(園芸部)としている。

 デリカ社は東証一部上場、売上高は346億円(17年度連結)で業界最大手。ファミリーレストランを中心に外食・中食向けに野菜を販売しており、カット工場なども持つ。両者は以前から取引があり、全農の同社への販売額は17年度見込みで5・5億円。同社は「契約産地からの仕入れ割合は6割だが、まだ足りない。業務提携で安定確保を期待したい」(経営企画室)とする。

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