自動操舵 田植え機+トラクター 水稲で2割規模拡大 人件費を削減所得増へ有効 青森県が試算

 水稲経営に衛星利用測位システム(GPS)を使う自動操舵(そうだ)田植え機とトラクターを導入することで、同じ労働力で最大2割規模拡大できるという試算を青森県産業技術センター農林総合研究所がまとめた。27ヘクタールの規模で試算した。導入コストはかさむが、作業時間の短縮で人件費が削減でき、年間所得は増加する。同センターは、労働力不足、担い手の負担増大を解消するための有効な技術としている。(古田島知則)

 自動操舵技術は、GPSの位置情報を基にハンドルを外部制御し、手を放しても真っすぐ進むことができる。基準となる直線を設定すると、旋回後の次工程からはスイッチを押すと自動で平行に進む。あぜに近づくとアラームが鳴り、旋回は手動で行う。

 県、メーカーと協力して、2017年作水稲の移植と、収穫後の残さすき込み作業で試験した。

 自動操舵田植え機は8条植えで、作業速度は秒速1メートル、精度は熟練者並みだった。自動操舵中に手を放して苗の補給ができるため、全体の作業時間を6%減らせた。

 トラクターでのすき込みも速度、精度は熟練者の作業と同等。運転席のモニターで作業経路が確認できるため、前工程との作業幅の重なりを最小限にでき、切り返しにかかる時間も減らせる。

 水稲で耕起、代かき、移植、残さすき込みの4作業を自動操舵でしたときの経営効果を試算。人件費が減った分、作付面積27ヘクタールの経営で所得は約8万円増える。また、作業時間が減った分、同じ労働力で移植は6%(1・6ヘクタール)、トラクターを使う他の作業は20%(5・6ヘクタール)面積を増やせるという。

 同研究所作物部の野沢智裕部長は「熟練者は負担が減り、経験の浅い人はすぐに一人前の仕事ができる。労働力が不足する中、導入効果は高い」と話す。面積20ヘクタール超の中大規模経営に有効とみている。

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