JA農畜商談会 国産軸に産地力で活路

 12回目を数えるJAグループ国産農畜産物商談会は、これまで以上に注目を集めた。自己改革の目的である農業者の所得向上には、販売につなげる対策が欠かせない。国産の優位性を前面に出し、創意工夫を凝らした“産地力”で元気な地域づくりを進める動きを後押ししたい。

 JA全農とJAバンクが主催する同商談会は、全国から各産地自慢の農畜産物や素材の良さを前面に出した加工品などが一堂に集まった。JA主導の産地づくりを示す絶好の機会でもあろう。JAグループがいかに地域一体の農業振興と農業者の所得向上、生産拡大に取り組んでいるかを裏付ける実践例だ。それは、自己改革の具体的成果とも重なると言っていい。

 こうした商談会を広くアピールしたい。一般消費者の参加も促し、安全で安心な国産農畜産物と加工品作りに精を出すJAグループの姿を内外にもっと示す工夫が必要だろう。

 商談会は、産地の特色が色濃く表れた。全国一のタマネギをはじめ農畜産物の宝庫・北海道のJAきたみらいは企画開発グループによるレトルト食品、ドレッシングなどを多数披露した。JA全農とちぎは輸入代替で力を入れる冷凍業務用野菜、果実の多くの商品を用意。主力品目のイチゴは年間通じて味わえる冷凍「とちおとめ」を活用した各種メニューも示した。こうした各産地の優良事例、先進的な取り組みを学び合い、次の新たな商品化に生かす機会としても位置付けたい。

 水田を守るためにも米の消費拡大は喫緊の課題だ。産地では米粉を使った加工品など、米の需要をどう増やすかに知恵を絞った。新品種のPRも盛んで、宮城は仙台藩主・伊達政宗をもじった「だて正夢」、新潟は「コシヒカリ」に続く大粒の良質米「新之助」などを売り込んだ。

 今回の商談会は、特別セミナーで、少子高齢化の消費構造変化の中での対応に特徴がある。全農が昨秋立ち上げた営業開発部の役割を、戸井和久チーフオフィサーが説いた。ここでは「レッツ・メイク・バリュー」との言葉で、従来の価格競争から脱皮し、付加価値を競う産地力こそが問われるとした。

 JAグループの強みは、農業現場を持ち農畜産物の生産から流通、販売までを一貫して行える総合力である。JAバンクの資金メニューがそれを後押しする。担い手に出向くJA担当者(TAC)による「店」も20ブースに広がったことも注目したい。生産と販売先との双方向の情報伝達のキャッチボールこそが産地力を強める。需要変化、多様化に応じた迅速な対応が産地浮沈の鍵を握るはずだ。

 輸出対策でも独自コーナーを設けた。少子高齢化に加え自由化の進展の中で、国産農畜産物・加工品の輸出拡大もこれまで以上に重要となってきた。そこで全農は昨春、専門部署として輸出対策部を新設した。輸出面での商談拡大も注目したい。

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