活動収まらぬ新燃岳また噴火 農家うんざり 宮崎・JAこばやし

未明の噴火でハウスに積もった灰の除去に追われる古園さん(5日、宮崎県小林市で)

当初予定した量のホウレンソウを無事に出荷でき、安堵の表情を見せる児玉さん(5日、宮崎県小林市で)

 宮崎、鹿児島県境の霧島連山・新燃岳(1421メートル)で5日未明、11日ぶりに爆発的噴火が起きた。最初の爆発的噴火から6日で1カ月。一時は落ち着いたかに見えたものの、いまだに活動が収まる気配はなく、地元農家はやきもきしている。宮崎県JAこばやしは、降灰を受けた農産物の販路確保に奔走。JAとして支援策を打ち出すなど、対応に追われている。(金子祥也)
 

灰除去 幾度も・・・ マンゴーやメロン施設


 5日に起きた爆発的噴火で、噴煙は3月以降の一連の噴火活動で最も高い、火口から約5000メートルの高さに上がった。多量の降灰があった地域では、ハウスに積もった灰の除去作業に追われた。農家は再び降り積もった灰を眺め、「やっと噴火が落ち着いたと思っていたのに・・・」とこぼす。

 噴煙が流れたのは新燃岳の東側。宮崎県の小林市や高原町では多量の降灰が見られた。特に量が多かった同市野尻町では、出荷間近のマンゴーやメロンのハウスに灰が積もり、日が差し込まなくなった。

 同日午後、マンゴーやメロンなどを48アールのハウスで育てる古園哲郎さん(62)は、懸命にブロワーで灰を吹き飛ばしていた。早朝から作業を始めたが、まだ2棟、手付かずのハウスが残る。「幾度となく除去作業をしたので、すっかり慣れた」と疲れた表情で話す。今のところ農産物に影響は出ていないが、「早く収まってほしい」と願う。

 噴火を受けて、地元のJAこばやしは早朝から巡回調査を実施。午前中に被害状況をつかみ、対応を協議した。JAの坂下栄次組合長は「JAは赤字を出してでも、農家を支援する。噴火で先が見えないが営農を諦めないでほしい」と訴える。JAは3月10日、降灰被害の対策に単独で5000万円を支援することを打ち出していた。

 JAではマンゴーやメロン、茶など出荷本番を迎える品目を抱えており、今後の情勢を見ながら支援内容を検討していく。
 

販路確保に奔走 ホウレンソウめど付き安堵


 5日午前、新燃岳から北東15キロにある小林市細野地区で、ホウレンソウ農家の児玉健一郎さん(80)は収穫に追われた。畑のホウレンソウは残りわずか。11月から続いた出荷は4月上旬でほぼ終わる。「噴火の影響なく出荷できて本当に助かった。JAに感謝したい」。児玉さんは安堵(あんど)の表情を見せる。

 畑には繰り返し灰が降り注いだ。灰を洗い落とせば問題はないが、消費者のクレームを恐れた加工業者は、相次いで取り扱いを中止。JAこばやしも取引先2社から3月上旬に取引停止を言い渡され、一時、行き場を失ったホウレンソウが出た。

 JAは取引先が減った分を受け入れてもらおうと奔走。洗浄後のサンプルを業者に届け、品質に問題がないことを粘り強く伝えた。通常は、あらかじめ決めた契約量を大きく超える納品はできない。しかしJAの予冷庫を活用して1日の出荷量を制限することを条件に、一部業者に3月は当初予定より7、8割多く引き取ってもらう算段がつき、全量の販路を確保できた。

 JA管内のホウレンソウの出荷は、同市野尻町を除いて4月上旬にほぼ終わる。2017年度産の総出荷量は当初計画量だった1200トンにまで達する見込み。JAの園芸課は「トラブルもあったが、例年並みの農家手取りを確保できた」と胸をなで下ろす。

 県内で最も生産量が多い加工用ホウレンソウは、無事にシーズンを終える見込みだが、施設栽培や畜産などは今後も油断できない状態が続く。 

おすすめ記事

地域の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは