TPP11 審議入り めど立たず 改ざん・日報国会混乱 熟議なく承認の恐れ

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)の国会審議入りのめどが立っていない。学校法人「森友学園」を巡る財務省の決裁文書改ざん問題に加え、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽(いんぺい)問題が浮上し、国会が混乱しているためだ。ただ、安倍政権は今国会での承認にこだわる。日程ありきで承認を急げば、十分な審議時間を確保できず、議論が深まらない恐れがある。

 TPP11承認案と関連法案は、今国会の重要議案に位置付けられ、委員会審議に先立ち本会議で趣旨説明が行われる。

 だが、今国会では、TPP11について集中的に審議する特別委員会は設置しない。そのため、衆院では、条約に当たるTPP11承認案は外務委員会に、関連法案は内閣委員会に、それぞれ付託して審議が行われる見通しだ。

 内閣委員会では予算関連法案の審議が遅れ、TPP11承認案の審議入りのめどがいまだに立たない。さらに、陸上自衛隊イラク派遣部隊の日報隠蔽など、ここに来て政府の不祥事が次々と明らかになり、野党が反発。国会は波乱含みの展開が続く。政府、与党は5月の大型連休前に衆院通過のめどを付けたい考えだが、「全く先が読めない」(政府関係者)。

 政府は、先導役の日本が今国会で承認できなければ、発効に向けた「各国の機運がしぼみかねない」(同)として、早期承認に全力を挙げる方針。内閣委員会では他にも、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)実施法案など与野党が対決する重要法案を審議する見通しだが、TPP11を先に処理する方向だ。

 米国を含む12カ国による元のTPPは、2016年に衆参両院で特別委員会を設置し、計130時間以上審議した。政府、与党はTPP11の内容が元のTPPとほぼ同じことを理由に「議論を一からやり直す必要はない」として審議時間の大幅短縮を視野に入れる。

 しかし、トランプ米大統領が鉄鋼の輸入制限を発動するなど世界の通商環境が一変。TPP11の是非についても、改めて徹底した国会審議と慎重な判断が求められる。

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