米大統領 TPP復帰条件検討 「自国有利」 幹部へ指示

 トランプ米大統領は12日、昨年離脱を決めた環太平洋連携協定(TPP)の復帰に改めて関心を示し、米国に有利な条件に見直すことができるか検討するよう政権幹部に指示した。日本を中心とした各国に対し、復帰の見返りに、農業分野などで元のTPPを超える水準の市場開放を迫る姿勢を鮮明にした。日本など各国は再交渉に否定的だが、来週の日米首脳会談で協議される可能性もある。

 トランプ氏は与党・共和党議員らとの会合でTPPへの復帰を考える意向を伝えた。ホワイトハウスのウォルターズ副報道官は声明で、大統領がライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、クドロー国家経済会議(NEC)委員長に対し、「より良い協定」にする交渉ができるかどうか再検討するよう指示したことを明らかにした。

 トランプ氏は12日、ツイッターで「オバマ前大統領の協定よりも大幅に良くなる場合のみ参加する」と表明。「日本は何年も貿易で米国に打撃を与えてきた」と批判、とりわけ日本に市場開放を求める姿勢を強調した。

 一方、日本など11カ国は再交渉に否定的で、TPP11の早期発効を目指している。茂木敏充TPP担当相は13日の閣議後会見で「一部のみを取り出して再交渉するのは極めて困難だ」と、再交渉を前提にする米国の姿勢をけん制した。

 安倍晋三首相は17~20日の日程で訪米し、トランプ氏と首脳会談を行う。米国が発動した鉄鋼・アルミニウムの輸入制限措置から日本を除外することなどの見返りに、TPPの再交渉や自由貿易協定(FTA)入りを求めてくるとの見方もある。

 米国ではトランプ氏に対し、支持基盤の農業界が不満を強めている。米国を除く新協定「TPP11」が発効すれば、参加国との農産物輸出競争で遅れを取りかねない。米中の貿易摩擦への危機感も広がる。今回のTPP復帰検討指示は、農業界に中間選挙に向けてアピールする狙いもあるとみられる。トランプ氏のTPP復帰の本気度を疑う見方も依然根強い。
 

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