牛豚汚水処理の温室効果ガス 想定より4割少なく 環境負荷は小さめ 農研機構

 牛舎・豚舎の汚水処理施設から出る温室効果ガスが、想定されていた数値よりも大幅に少ないことが農研機構などでつくる研究グループの研究で分かった。算出に使う係数を実測に基づいて見直すと、日本全体で約150万トンとみられていた排出量が41%減の90万トン程度に収まった。環境負荷が小さいことが判明し、環境問題で畜産への風当たりが和らぐと期待される。この数値は日本の温暖化ガス排出量として、国連の機関に提出される見込み。

 研究グループは、温室効果ガスの一酸化二窒素(N2O)とメタンの発生量を、千葉県、岡山県、佐賀県の国内6カ所の尿汚水処理施設で実測。得たデータを基に窒素分のどの程度が温室効果ガスになるかの排出係数を算出し直した。これまで使われていた係数は、実験室内のデータから求め、現実との隔たりが懸念されていた。

 実測の結果、メタンの排出量はこれまでより増えるものの、温室効果ガスの大半を占めるN2Oは想定より大幅に縮小した。豚では窒素の5%がN2Oになると推計されていたが、それが2・87%に、牛でも5%が2・88に減る。

 畜産からの温室効果ガス排出量は、日本農業全体の41%を占めるとされ、畜産での環境負荷低減が求められていた。既に鶏では採卵鶏で33%、ブロイラーで29%、従来の想定より窒素排出量が少なくなったことが明らかになっている。今回の牛、豚と併せ実際の畜産の環境負荷は、これまでの想定よりさらに小さくなる見込み。「日本の畜産は(温室効果ガスを)出しっぱなし、とは言われにくくなる」と農研機構では見ている。

 日本は毎年、温室効果ガスの排出量を国連気候変動枠組条約事務局に報告義務がある。今回の数値は日本の排出量の目録に掲載され、正式に報告される見込み。 

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