干しシイ 燃費半減、うま味増 低温乾燥新手法 鳥取の組合 特許出願

 鳥取市の日本きのこセンターと菌興椎茸(しいたけ)協同組合は19日、低温乾燥による干しシイタケの新しい製造方法を開発し、特許を出願したと発表した。作業の省力化に加え、乾燥に必要な燃料費を最大で7割削減する。調理面では、だしが15分程度で取れるため、使いやすさも向上する。生産コスト低減と需要拡大を実現し、産地振興につなげる。林野庁によると干しシイタケの生産量は、1984年の1万6000トンから2016年には2700トン程度まで減少。共働き世帯の増加による食の簡便化や、輸入品の増加などが背景にある。

 5月ごろにほだ木で自然乾燥することで風味が特段に優れる「木干し状態のシイタケ」の風味を目指して開発した。

 従来は一つ一つ柄を下に向けて重ならないよう並べ、45度から55度まで徐々に温度を上げて、25時間ほどで乾燥させる。新しい製造方法は、シイタケを山なりに重ね、指定した空気循環操作で22~28度で15~25時間乾燥後に、55度まで上げてさらに10時間乾燥させて仕上げる。乾燥時間は延びるが、重ならないように並べる作業時間が短縮されるほか、低温乾燥により灯油の使用量は従来より5~7割減らせた。

 調理面では、沸騰寸前の湯に干しシイタケを入れて弱火で10~15分煮ることでだしが取れる。従来品では水戻しに5時間以上かかる。苦味や雑味が少なく、うま味成分のグアニル酸は従来の1・5倍になることも確認した。

 同組合の下田秀一組合長は「今後を占う革新的技術だ。業界の魅力を高め、生産者の意欲向上や新規就農者の増加に加え、消費量も増やしていきたい」と意気込む。
 

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