日米、貿易新協議へ 「TPP」「2国間」溝鮮明

 安倍晋三首相と米国のトランプ大統領は18日、日米で貿易の新たな協議を始めることで合意した。米国南部フロリダ州パームビーチで2日間会談し、同日の共同記者会見で発表した。貿易の在り方に関し、安倍首相は環太平洋連携協定(TPP)が「最善」と訴え、米国が復帰する場合でも農業分野ではTPPの水準を上回る関税引き下げなどの譲歩はしない意向を伝えた。一方、トランプ氏は「2国間の貿易協定の方が好ましい」と明言。隔たりが浮き彫りになり、新たな協議を舞台に攻防が本格化する。

 2日目の18日は通商分野について集中的に議論した。安倍首相は、トランプ氏がTPP復帰検討を指示していたことを踏まえ、会談で復帰を要請した。一方、トランプ氏は会見で「TPPには戻りたくない」と復帰に否定的な発言を繰り返した上で、「日本と一対一で交渉を行っていきたい」と強調。2国間交渉の方が望ましいとの姿勢を鮮明にした。

 両首脳は、「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議」を始めることで合意。日本側は茂木敏充TPP担当相が、米側は通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が担当する。協議内容は、麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領による日米経済対話に報告する。

 新協議についてトランプ氏は、「遠くない将来に良い合意に至ることができると思っている」と述べ、早期に成果を出すことへの意欲をにじませた。ライトハイザー氏は1980年代のUSTRの次席代表を務め、強硬な交渉姿勢で日本に鉄鋼輸出の自主規制などをのませた経歴で知られる。日本の農産物市場の開放や、自由貿易協定(FTA)交渉への意欲を示す発言を繰り返しており、協議でも強硬な姿勢を示す可能性が高い。

 米国による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限について、日本への除外は合意に至らなかった。トランプ氏は輸入制限を「多くの国との交渉材料となっている」と明言。除外を取引材料にFTAを求めてくることへの懸念も残った。
 
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