TPP以上拒否 焦点 与党冷静、野党は批判 日米新協議

 日米首脳会談で、日米貿易を巡る新たな協議の開始が決まり、与党は「想定内」と比較的冷静に受け止め、環太平洋連携協定(TPP)を超える譲歩は受け入れない姿勢を改めて強調した。一方、野党は「米側の要求をのみ、事実上の2国間協定を受け入れた」と一斉に批判。国会で厳しく追及する方針だ。

 今後の日米間の貿易の在り方について、日本はTPP、米国は2国間協定をそれぞれ求め、両者の意見に隔たりが出ている。「想定の範囲内だ」。自民党の議員連盟「TPP交渉における国益を守り抜く会」会長の江藤拓氏(衆・宮崎)は冷静に受け止めている。今回の新協議は日本側が提案し、その通り設置が決まった。

 一方、「(2国間交渉に)一歩踏み出したとも取れる」と指摘する。「(国内で)TPPを受け入れるのにどれだけ苦労したか。TPPがギリギリの線。それ以上は絶対あり得ない。体を張って止める」と語気を強めた。

 日本は米国にTPP復帰を促すため、発効を急ぎたい考え。このため今国会に提出した協定承認案と関連法案の早期成立を目指している。

 公明党のTPP等総合対策本部長を務める石田祝稔政調会長は「(日本としては)国会に提案されているTPP11の審議を粛々と進めていく」と強調。「(米国が)現在のTPPの枠組みに戻ってくるのはいいが、TPPを超える2国間交渉を考えることは絶対にできない」とけん制した。

 一方、立憲民主党の佐々木隆博副代表は「『米国にTPPに復帰してもらう』などと強気で言いながら、結果的には米国に押し込まれた。実質的に自由貿易協定(FTA)交渉に踏み出した」と批判。「協議の場ができた以上、米国にとっての成果を求められる。国益に反した方向になるのは明確」と国会で厳しく追及する考えを示した。

 「通商分野は厳しい結果だ」。希望の党の玉木雄一郎代表は、ツイッターでそう強調した。さらに「安倍(晋三)総理は面前でトランプ大統領からTPPには戻らないと明言され、さらに事実上、2国間協定に向けた協議を約束させられ、それなのに(米国が日本に課した)鉄鋼・アルミニウムの輸入制限(からの除外)は勝ち取れなかった」と批判。米側が市場開放圧力を強めてくることを念頭に「牛肉と自動車は要注意だ」と指摘した。

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