最新技術の圃場公開 ICTポリ培地 多様な担い手確保へ 近畿大・奈良県

ポリエステル培地での栽培を説明する林教授(右)(20日、奈良市で)

 近畿大学農学部と奈良県は20日、奈良市の同大キャンパスで、多様な担い手の就農を支援するため、長期間使えるポリエステル培地や情報通信技術(ICT)など、最新技術を使った園芸栽培の実証圃場(ほじょう)を公開した。作業の手間を省いて高齢者や障害者、若年性認知症の人らが容易に農業ができるようにし、不足する担い手確保につなげるのが狙い。

 圃場は2017年度に県の予算約3000万円を投じ、整備した。この日は、農家や行政関係者ら約30人が参加した。

 同大農学部の林孝洋教授がポリエステル培地での栽培を説明。東日本大震災の被災地、福島県で花き生産が軌道に乗っていることに触れ「土を使わないので風評被害に苦しむ地域にも向く。軽量で作業負担が少ない高設ベンチでの栽培が可能だ。半永久的に使え、連作障害が出にくい」と利点を強調した。

 ICTを活用した養液土耕栽培を同大大学院農学研究科の野々村照雄教授が解説。園芸施設は2棟あり計3アールで設置費は1300万円。メロンとトマトを栽培し、水や肥料、温度などを自動管理できる。現在、生産効率の良い養液量などのデータを収集中で「個人の経験や勘に頼らない生産で就農初期から所得の安定へつなげたい」と話した。

 養液量を調整することで付加価値を高めることも可能とし、栽培だけでなく加工、販売のマニュアル化も検討している。

 今年度は試験栽培で、ポリエステル培地とICTの技術のマニュアル化に力を注ぐ。年内中にもポリエステル培地を活用した同大学生による農業ベンチャー法人を設立し、県内の農業経営体を連携する考えだ。

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