TPP 見えぬ国会論戦 疑惑続出、野党欠席 米復帰へ急ぐ政府 「衆院優越」自然承認も

 米国を除く11カ国による環太平洋連携協定の新協定(TPP11)の承認案の国会審議の行方が、見通せない状態になっている。承認案は17日に審議入りしたが、国会では財務事務次官のセクハラ疑惑など政府の不祥事を受けて主要野党が審議を欠席し、不正常な状態になっているためだ。政府、与党は27日に衆院外務委員会で承認案採決を目指すが、野党の欠席が続けば、審議が深まらないまま衆院を通過する恐れもある。

 先の日米首脳会談では、新たな貿易協議の枠組みを設けることで合意。2国間交渉を求める米国に対し、日本はあくまで米国にTPP復帰を促す方針。日本政府は、米国復帰の呼び水にするため、TPP11の今国会での承認にこだわる。

 しかし、今後の日米協議で米国から自由貿易協定(FTA)を求められた場合、農業の追加開放を余儀なくされるなど裏目に出る危険がある。そのため国会審議ではTPP11の内容の是非だけでなく、米国との新たな貿易協議に向けた政府の対応も大きな焦点となる。

 ただ、国会正常化の見通しは立たない。野党は、麻生太郎副総理兼財務相の辞任や加計学園問題を巡る柳瀬唯夫元首相秘書官の証人喚問を要求しており、長期の欠席も辞さない構えだ。

 条約は、憲法の衆院優越規定で、参院が議決しない場合でも、参院送付から30日で自然承認となる。大型連休前に参院に送付すると、連休中の1週間が使えず、参院での実質的な審議日程の確保が難しくなる。

 政府、与党は今国会での承認を確実にするため5月の大型連休明け早々にも衆院本会議で採決し、参院に送付する方針。大型連休前の27日には、外務委員会の審議を終えたい考え。野党欠席のまま審議、採決に踏み切る可能性もある。

 一方、TPP11の発効に向けた国内手続きを完了するには、協定の承認とともに関連法案の成立が不可欠だが、関連法案は審議入りしていない。27日の本会議で審議入りする方向だったが、流動的だ。

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