[特区 外国人就労] 識者に聞く 受け入れ経験 生かせ 技能実習生との人材争奪避けて 早稲田大学 堀口健治名誉教授

早稲田大学 堀口健治名誉教授

 農作業を支援する外国人労働者を受け入れる国家戦略特区が具体化する。早稲田大学の堀口健治名誉教授に、課題などを聞いた。

 ──今回の特区には、どのような課題があると見ていますか。

 外国人労働者を現場に派遣する「特定機関」となる事業者が大事な役割を持つ。派遣先の仕事内容に合う人材の確保などを担い、農家と労働者を結び付ける役目を持っているからだ。

 JAを含め、地域の多様な農業関係者が協力して派遣会社を設立するなどして、農業現場の実態に合った仕組み作りが欠かせない。

 制度概要を見ると「派遣という形態で農繁期だけ雇用できる」「特定の仕事だけ行う」といった日本側のメリットばかり強調していると感じる。

 農業分野で働く外国人に配慮し、安定した雇用を提供できる環境づくりが必要だ。しっかりと働いてもらうには、相手国や外国人への配慮が欠かせない。

 ──受け入れや指導にはどう対応するべきですか。

 外国人技能実習生受け入れで得たノウハウを生かすべきだ。技能実習生を受け入れている現場では、実習生3人当たり日本人1人の指導者が置かれていることが多い。特区でも、こういったチームを組んでの技術習得が有効と思われる。そのためにも、指導役となる日本人の常時雇用が欠かせない。

 外国人技能実習生の採用経験がある現地の送り出し機関や、日本国内の受け入れ監理団体から協力を得ることも重要になる。

 技能実習生制度では、受け入れ前に語学学習などを行い、農家が現地に面接に行くなどコストや手間をかけて丁寧な対応をしてきた。そうした教訓、経験を特区の人材確保にも役立てるべきだ。

 一方、技能実習生と特区、二つの制度で人材の奪い合いとなるのを避けなければならない。技能実習生と、特区で派遣された労働者が一緒に働くことも想定される。雇用条件の違いなどで、トラブル回避のために想定される課題を整理していく必要がある。(聞き手・猪塚麻紀子)

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