日米新協議 FTA懸念拭えず 衆院本会議で政府 予備協議を否定

 環太平洋連携協定(TPP)関連法案の国会審議が、8日の衆院本会議で始まった。野党側は、日米の新たな貿易協議について、事実上の自由貿易協定(FTA)交渉入りではないかと政府を追及。政府は否定したが、来月にも始まる新協議で米国側が要求してくる懸念は拭えない。米国の圧力が強まる中、政府が日米FTAを明確に拒否する方針を示すかどうかが、今後の国会論戦での焦点になりそうだ。

 新協議は先の日米首脳会談で合意した。茂木敏充TPP担当相と米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表が担当し、閣僚級の初会合は6月中旬以降になる見通し。日本側は米国にTPP復帰を促す方針だが米側は2国間交渉を重視する立場を崩していない。

 この日の本会議では、新協議の行方に質問が集中。共産党の笠井亮氏は、米国のTPP復帰の可能性を疑問視。新協議の立ち上げは「トランプ大統領の2国間交渉を重視する姿勢に迎合したものだ」と、事実上のFTA交渉入りだと政府を追及した。

 国民民主党の山岡達丸氏も、TPP交渉参加を決断した時のように「国益に反するわけではなかった」と政府が主張し、米側の求めるFTAを受け入れる懸念があると指摘した。

 これらの追及に対し、安倍晋三首相は「新協議は日米FTAと位置付けられるものではなく、その予備協議でもない」と強調。「TPPが日米両国にとって最善と考えており、その立場を踏まえて引き続き協議に臨む」と述べた。

 日本農業が受ける政府試算の妥当性も議論になった。試算によると、TPPで大幅な市場開放に踏み切っても、国内対策を打つことで、国内生産量は一切減らないとしている。

 立憲民主党の神谷裕氏は「対策を取るから影響がないとの主張は到底理解できない」と批判。国内対策を考慮しない、影響額の試算を要求。これに対し、斎藤健農相は「現実に起こり得る影響を試算すべきだ」として国内対策なしの試算を行う考えはないことを強調した。

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