TPP11政府試算 関税収入620億円減 経営安定財源に課題 農産品

 政府は16日、米国を除く11カ国による環太平洋連携協定(TPP11)の発効による関税削減で、関税収入が740億円減るとの試算を明らかにした。うち農産品は620億円で、2016年度と比べると、最終的に5割以上減る。国内畜産振興に充てる牛肉関税収入などが減るため、経営安定対策の新たな財源確保が課題になる。

 試算はTPP11の貿易相手10カ国を対象に実施。日本の16年度の関税収入の総額は約9390億円で、うち10カ国からの農産品の収入額は約1120億円。輸入実績が16年度から変わらないと仮定し試算した。

 農産品での収入減少額は、発効初年度が190億円。ここから、関税の引き下げが全て完了する最終年度に620億円となる。

 このうち牛肉の減少額が270億円で最も多い。牛肉の関税は現行の38・5%から発効時に27・5%に削減。その後段階的に下がり、16年目以降は9%になる。離脱した米国に対し、関税削減でさらに有利になるオーストラリア産のシェアが高まれば、関税収入の減少額はさらに膨らむ可能性がある。関税収入は、肉用子牛生産者補給金や肉用牛肥育経営安定特別対策事業(牛マルキン)など経営安定対策に充てている。減少した分の代替財源の確保が議論になりそうだ。

 関税とは別に国が徴収するマークアップ(輸入差益)も減少する。麦は初年度の25億円から、最終年度は227億円(16年度比25%)の減少となる。国内麦農家の経営所得安定対策の財源だ。加工原料乳生産者補給金に充てる乳製品のマークアップは、最終年度で25億円(同31%)、砂糖の調整金は16億円(同3%)それぞれ減るとしている。

 農産品の関税収入の減少を巡っては、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)では最終年度に600億円減少すると試算されている。 

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