労災保険対象拡大 出荷・販売中の事故も 農家 作業機会増え

 農業者が特別加入できる労災保険の給付対象が、2018年度から拡大された。農産物を市場や直売所などへ運ぶ出荷作業や、出荷した農産物を出荷先で売る販売作業の際の事故も新たに対象とする。今までもこうした事故が一定程度発生しており、6次産業化の推進で農家が自ら農産物を販売する機会が増えていることから、所管する厚生労働省が改正した。

 労災保険は、業務中に起きたけがや病気の治療費、休業などを補償する公的保険。個人経営の農家には加入義務はないが、一定の要件で特別加入できる制度がある。給付対象を拡大したのは、同制度のうち「特定農作業従事者」と「指定農業機械作業従事者」で、18年4月1日以降に新たに発生した事故に適用する。

 今回の改正で、箱詰めや袋詰め、調製など既に商品化された農産物を市場や直売所、小売店といった出荷施設まで運ぶ「出荷作業」の際の事故も給付対象となる。また、出荷した農産物を出荷先の直売所などで販売する「販売作業」も同様に対象となる。例えば①出荷のために直売所へ行く②出荷した人がそのまま直売所で販売する③農作業場へ戻る──際の事故はいずれも対象になる。

 これまでも、農産物をJAの集荷施設や選果場など共同集荷施設へ運ぶ「集荷作業」の際の事故は、農作業に直接関係する作業として労災保険の対象だった。だが出荷・販売作業中の事故は対象外で、生産現場からは以前から見直しを求める声が上がっていたという。

 農家が労災保険に加入するには、JAや中央会など特別加入団体を通じて申し込む。JA全中は今回の改正について「現場の声に応じたもの。こうした作業中の事故も対象になると周知していきたい」としている。

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