鳥獣捕獲にICT 7割が効果実感 現場普及は低調 総務省の市町村調査

 鳥獣被害対策で情報通信技術(ICT)を活用している市町村のうち、捕獲での効果を実感しているのは7割に上ることが、総務省の調べで分かった。見回りの負担軽減でも9割が効果があるとした。一方、鳥獣被害防止計画を作成している自治体で、鳥獣害対策にICTを利用しているのは2割にとどまり、現場での普及は足踏みしている実態が浮かび上がった。

 鳥獣害対策に使うICT機器は、わなを遠隔操作・監視する機器、鳥獣が入ると自動で扉が閉まる機器、動態を把握するセンサー付きカメラなどがある。

 捕獲にICTを使う30市町村を調査したところ、「効果あり」と答えたのは20、効果なしとしたのは5だった。大量の捕獲につながったなどの報告があった。見回りにかかる負担軽減は、29市町村のうち25が「効果あり」とし、「効果なし」は3だった。

 香川県土庄町は、鳥獣がわなに掛かるとメールで知らせるICT機器を猟友会員らに貸し出す。山間部の見回りの負担が減ったことから、わなを増設することができ、ICT機器の使用者はイノシシ捕獲数が導入前から6割増えた。

 鳥獣被害防止特別措置法に基づき、侵入防止柵の設置や緩衝林整備などを進める「鳥獣被害防止計画」を作成している市町村数は、2017年4月末時点で1458。うち、鳥獣害対策にICTを利用しているのは312にとどまった。導入を検討しているのは163だった。

 ICT未導入の市町村から68を抽出し、今後の意向を調べた。導入したいと考えているのは47だった。導入していない理由として「費用が高額」「予算の不足」「製品情報が得られず効果が不明」などを挙げた。同省は農水省の鳥獣被害防止総合対策交付金で、ICTなど新技術実証経費を助成していることに着目。農水省と連携し、ICTによる鳥獣害対策の普及を進めたい考えだ。

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