TPP11 国内農業の影響焦点 参院審議入り 与野党で対立激化

 米国を除く環太平洋連携協定参加国による新協定(TPP11)の承認案と関連法案が1日、参院本会議で審議入りした。政府・与党は早期発効に向けて成立を急ぐが、野党は、農畜産物の重要品目で大幅な市場開放を受け入れる合意内容によって、国内農業が受ける影響などについて批判を強めている。今後の本格審議に向け、審議時間の確保についても激しい綱引きが予想される。

 TPP11で日本は、農林水産物の82%で関税を撤廃し、重要品目でも大幅な関税削減などを受け入れた。関連法案は10法案の改正事項を一括した「TPP整備法」の改正案。農業関係では牛豚の経営安定対策(マルキン)の法制化、加糖調製品を調整金徴収の対象に加える措置を協定発効に合わせて施行する。

 承認案は、憲法の規定で既に会期末(6月20日)までの承認が確定しているが、発効に向けた国内手続きの完了には関連法案が参院で成立する必要がある。

 審議では合意内容の他、農林水産物への影響、米国復帰が見込まれない場合に内容を見直す再協議規定などが論点になる見通し。自動車など通商分野で強硬姿勢を続ける米国に対し、TPP復帰を求める日本政府の姿勢も焦点になる。

 本会議で安倍晋三首相は「TPPが日本だけでなく米国にとっても最善だ」と述べ、復帰を求めていく姿勢を重ねて強調した。自民党の井原巧氏の質問に答えた。

 ただ、米国は安全保障を理由に自動車に対する追加関税を検討し、米国の通商政策の動向は不透明感を増している。安倍首相は米国による追加関税措置について「世界市場を混乱させ、世界貿易機関(WTO)ルールに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼしかねないもので極めて遺憾」と述べた。立憲民主党の白眞勲氏への答弁。

 承認案は外務委員会、関連法案は内閣委員会で来週にも本格審議に入る。衆院では計23時間余りの審議で両案が通過したが、野党は審議時間が短いとして反発した経緯があり、参院でも激しい対立が予想される。元のTPPでは2016年、衆参に特別委員会を設置し、計130時間以上審議した。 
 

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