TPP11 見直し規定に曖昧さ 政府は明言せず 参院外交防衛委

 米国を除く環太平洋連携協定参加国による新協定(TPP11)が5日、参院で本格審議に入った。承認案を審議した外交防衛委員会で野党側は、米国復帰が見込めない場合に協定を見直す規定の実効性を問いただした。政府側は「明示的な規定はない」と、曖昧さを残し、今後の審議で大きな論点となりそうだ。

 TPP11は、乳製品の低関税輸入枠や牛肉のセーフガード(緊急輸入制限措置)発動基準で米国を含む元の協定の水準を維持。米国が不参加のまま他国が輸入枠などを満たした場合、米国との貿易協議次第で一層の市場開放の恐れがある。政府は規定による見直しについて「各国の理解を得ている」と説明してきた。

 立憲民主党の牧山弘恵氏は、規定に基づき協定を見直す条件について「具体的にどのような場合が該当するか。どの時点で誰が判断するのか」と実効性を疑問視した。

 外務省の山野内勘二経済局長は「米国の通商政策の新たな動向などを踏まえてTPP11の締約国が判断する」としたが、「どの時点でそういう判断を行うかについては、協定上明示的な規定はない」と述べた。

 米国の復帰を巡る再交渉の可能性や、日米の「新たな貿易協議」などの米国への対応も議論になった。河野太郎外相は、農業分野の対応について「米国に対し、TPPでの譲歩が日本として最大限のものであることを伝えている」と強調した。共産党の井上哲士氏への答弁。

 参院では、承認案を外交防衛委員会、関連法案を内閣委員会で審議する。承認案は憲法の規定で国会会期末(6月20日)までの承認が決まっているが、日本が国内手続きを終えるには関連法の成立が必要。政府・与党は成立を急ぐが、野党は審議時間の確保を求めて反発を強めており、今後、日程を巡る綱引きが激しくなる見通しだ。

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