政策確立全国大会 食料安保と地域が基軸

 JAグループは7日、東京都内で「食料・農業・地域政策確立全国大会」を開く。自己改革完遂のためにも、食料安全保障と地域振興を基軸とした農業者所得増大や生産拡大などの政策確立を与党責任者に訴える。政府・与党は現場の声を受け止め農政展開に反映させるべきだ。

 大きな特色は従来に比べ開催時期を大幅に前倒しした点だ。加えて「要求実現」から一歩踏み出し、与党と一体となった「政策確立」を前面に出した。

 大会には自民、公明の幹事長に加え与党政策責任者が出席する。大会出席者が生産現場の生の声をぶつけ、実効性のある農業政策の具体化につなげる。自己改革の三本柱である①農業者所得向上②農業生産拡大③地域活性化――の実現のためにも、JAの自助努力に加え、後押しする政策確立が欠かせない。同大会では、自己改革目標達成へJA、与党が同方向で対応していくことも確認する。

 JAグループはこれまで、代表者集会を出来秋などを念頭に開いてきた。一方で、官邸主導による政策決定の流れが強まり、毎年6月に決まる経済財政の運営方針(骨太方針)や成長戦略、規制改革実施計画などが、その後の具体的な政策展開や予算措置に大きな影響を与えてきた。こうした中で今回の大会を構えた。来年以降も5、6月に同様の大会を検討する。

 中家徹JA全中会長は、今後の農政展開の最重要課題に、国内農業生産を柱とした食料自給率引き上げを通じた食料安保構築と地域対策の拡充を据える。政府の骨太方針原案では昨年消えた「食料安全保障の確立」の文言が復活した。だが、食料自給率を向上させる道筋が不透明で、食料安保確立への具体性に乏しい。言葉だけで終わりかねない。

 食料安保に関しては、政府内で“同床異夢”の危うさも見られる。安倍政権下でこれまでに経験のないハイレベルな貿易自由化が加速する中、輸入食料の安定確保に比重を置く食料安保の考え方も強まっているためだ。これはカロリーベースで自給率45%の引き上げという国是を軽視した、いわば「逆立ち」した食料安保論に他ならない。

 目指すべきは、国内生産基盤の維持・強化を通じた自給率向上による安全保障の確立だ。今後、担い手や農地など食料自給力「指標」を自給力「目標」として位置付けることも必要だ。

 生産現場では現在の農政が産業政策に偏っているとの懸念が高まっている。農業成長産業化を前面に掲げる安倍農政は、大規模化、競争力強化の政策ばかりが目立つ。中山間地への配慮や家族農業も含めた地域全体の活性化、底上げの視点も欠かせない。

 産業政策と地域政策を車の両輪とし、同じ軌道を描くバランスある農政展開こそが求められている。大会では、こうした観点に立った持続可能な地域農業の確立も再確認すべきだ。

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