配給された米には

 配給された米には、量を水増しするための小石と、夏場に虫がたくさん混じる。それを取り除くのがひと仕事。炊き上がったご飯は灰色がかって臭いがきつい▼曽我ひとみさんに北朝鮮での暮らしぶりを伺った。ことに厳しかったのは氷点下20度にもなる真冬だという。貧弱な暖房設備に頻発する停電と燃料不足。ありったけの服を着て布団をかぶり、家族で体を寄せ合ってしのぐ。「今日、明日を生き抜くのに精いっぱい」。静かな口調ながら、かの地での過酷な生活を想像するのに十分である▼今とは真逆に、日本政府が「南風」を吹かせた時があった。村山自社さ政権下での1995年を皮切りに数度にわたって米支援した。2000年は国産米が主の50万トンで財政負担は巨額に上った。賛否が沸騰した当時を思い出す。あの米はどうなったか。「そんなうわさを聞きましたが、私たちのような者には届きようがありません」。やはりというべきか▼歴史的な米朝首脳会談が迫る。今回を「プロセスの一部」とするトランプ大統領の発言で成果への期待値は下がった。大いに懸念されるのは盟友安倍首相が念押しした同胞の奪還である▼横田めぐみさんが拉致された新潟市の現場を歩く。「一秒でも早く」という曽我さんの言葉を頭の中で反すうした。 

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