TPP11承認 拙速審議 浮き彫り 野党 米国圧力の拡大懸念

 米国を除く環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国による新協定(TPP11)の承認案を可決した13日の参院本会議では、議論不足や今後の市場開放への懸念が浮き彫りになった。野党は、日本の農産物の自由化を巡る合意内容の見直しに各国が応じる保証があるのかなど、TPP11が抱える懸念が解消されないまま審議を短時間で強行的に打ち切るものだと批判。米国との2国間交渉でTPP11が議論の出発点となり、一層の市場開放を迫られかねないと訴えた。

 野党は、日本がTPP11で農産物の自由化について、米国を含む当初の協定の内容をそのまま受け入れたことを批判。米国のTPP復帰が見込めない場合、農産物の合意内容を見直すことについて、政府は「各国の理解を得ている」と説明する一方、協定上は見直し対象になるとは明確に定められていない。

 立憲民主党の牧山弘恵氏は「口約束だけを信じ、修正が行われると期待するのはあまりにも無責任だ」、国民民主党の徳永エリ氏も「見直しは担保されていない」と訴えた。

 審議時間についても野党は「疑問点を解明するに当たる時間が確保されたとは到底言えない」(牧山氏)などと批判。参院でみれば、当初のTPPの審議は、2国会にまたがり60時間以上をかけたが、今回は、内閣委員会での審議を残してはいるものの、5時間35分と大幅に短い。

 7月から始まる日米の新たな貿易協議にTPP11の承認が与える影響にも、懸念が集まった。政府はTPP11の承認で、米国に対して「農業分野でこれ(TPP)以上の譲歩はない」(安倍晋三首相)との姿勢をより明確にさせる考え。

 一方、共産党の井上哲士氏は7日の日米首脳会談で安倍首相は、米国が検討する鉄鋼や自動車などの関税引き上げ中止を求めなかったと強調。新たな貿易協議が「TPP11が防波堤どころか、譲歩の出発点とされる懸念が強まるばかりだ」と、TPPを超える自由化を迫られかねないと訴えた。

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