[未来人材] 36歳、 茶産地で起業、援農支援が成果 京都府和束町 山下丈太さん 農家、若者をつなぐ 

茶産地の特性を生かした事業を展開する山下さん(京都府和束町で)

 京都府和束町の山下丈太さん(36)は茶産地の特性を生かし、合同会社「ゆうあんビレッジ」の代表として地域おこしに奔走する。若者と茶農家をつなぐ援農支援や、田舎暮らしの推進、茶園での体験ツアーなどを手掛け、「和束の魅力を発信し、ファン獲得につなげたい」と意欲を燃やす。

 大阪府枚方市生まれ。6歳で同町に移住し、22歳まで過ごした。転機は、大学卒業後に勤めた大阪に拠点を置く米国の外資系企業。“結果が全て”の利益至上主義の環境に浸る日々。「時間の流れが早く戸惑いを感じた。もっと自分らしく生きられないか」と模索。30歳でUターンを決意する。

 町雇用促進協議会の職員として地域に新たな雇用を生み出すため奔走した。「農家と地域の力になれることをなりわいにしたい」と、2015年にゆうあんビレッジを設立。援農支援や茶文化体験ツアー、日本茶専門店「和束カフェ」の運営などを手掛ける。

 最も力が入るのが援農支援。茶農家が繁忙期の5~7月に全国から若者らを集めて、農作業を手伝い、賃金を得ながら、シェアハウスで共同生活をする。参加者は新規就農やIターンの希望者だけではない。引きこもり経験者も参加する。「農作業を機に、次への挑戦に役立ててもらえるのが一番の幸せ」とかみしめる。5年間で計74人が参加。うち7人が同町へ移住し、成果を上げた。

 成功事例として全国の産地が注目。奈良県下市町や山口県阿武町も同様の事業に取り組む。「この仕組みが広まれば農家の助けになるだけでなく、若者の選択肢が広がり活躍しやすい場所が増える」と将来を展望する。(前田大介)

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