地球温暖化対策 地産地消盛り上げよう

 地球温暖化が止まらない。温暖化に最も影響を及ぼす大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は過去最高となった。CO2の濃度上昇に伴って地球の気温は一段と上がり、洪水など災害リスクが高まる。農業現場ができることは高温に強い品種育成などの適応策に加え、地元で取れた農産物を地元で食べる「地産地消」運動を盛り上げることだ。地球にも人間にも優しい取り組みの価値をいま一度見直したい。

 天気がおかしい――。これは自然と向き合っている農家が肌身で感じている問題だ。ただ、この状況はまだ“序章”にすぎないのかもしれない。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2014年の報告書でこれから100年間でどれくらい平均気温が上昇するか、四つのシナリオを示した。最も気温上昇が低いシナリオは約2度前後。最も気温上昇が高くなるシナリオは、4度前後の上昇を予想した。深刻な影響を抑えるには産業革命以降の気温上昇を地球平均で2度以内にとどめ、「2100年時点のCO2濃度を約420ppmにする必要がある」とした。

 だが、世界気象機関(WMO)が発表した4月平均の濃度は、ハワイやスペインの観測所で410ppmを超えて過去最高を更新、最悪のシナリオをまっしぐらに突き進んでいる。

 今夏も猛暑が予想される。気象庁が発表した6月から8月までの3カ月予報でも、かなりの高温が見込まれる。平年は東北の辺りまで蛇行する偏西風が平年より北を流れ、暑さをもたらす太平洋高気圧とチベット高気圧の張り出しが平年より強いためだ。

 気象予報士の福田寛之氏は「暑さは地球温暖化で大気全体の温度が高い上、太平洋高気圧などの張り出しが強いという要素が加わることが原因。特に7月は東日本以西で平年より暑くなる」と見通す。特に農業は「病害虫の発生など想定していなかったことへの対応が必要になり、伝統的な農業のやり方ができなくなる恐れがある」として備えを呼び掛ける。

 気温が上がれば、大気中の水蒸気量が増え、集中豪雨が頻発、土砂崩れや洪水のリスクも高まる。国土交通省は今世紀末には降雨量が20世紀末と比べて3割増え、洪水発生の確率は4倍になるとの予測を発表した。農業に甚大な影響を及ぼした15年の関東・東北豪雨、17年の九州北部豪雨のような災害にどう対応するかが問われている。

 温暖化は、適応策と緩和策の両輪の対策が欠かせない。国土の強靱(きょうじん)化とともに、農業現場では暴風雨に強い耐候性ハウスの建設や洪水を防ぐ田んぼダムの拡大、乱高下する温度や湿度に強い品種の開発などが求められる。

 さらに、輸送によって排出されるCO2量を削減できる「地産地消」の取り組みは欠かせない。持続可能な未来のために農業の果たす役割は大きい。 
 

おすすめ記事

論説の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは