TPP11参考人聴取 「推進」「転換」で二分 参院内閣委 一層の市場開放懸念

 参院内閣委員会は19日、米国を除く環太平洋連携協定参加国による新協定(TPP11)について、3人の参考人から意見を聴取した。米国のTPP復帰や保護主義への対抗のためにも、早期発効を求める意見の一方、TPPをはじめ大型の経済連携を推進する路線から、食料自給などを重視する政策への抜本転換を訴える声が上がり、意見は大きく割れた。

 慶應義塾大学の渡邊頼純教授は、米国が各国に輸入制限措置を発動するなど保護主義的になる中、日本がTPP11を主導したことに「自由貿易の灯を消さないという意思表明になった」と評価。TPP11が発効すれば、米国は日本への農産物輸出でオーストラリアやニュージーランドなどTPP11加盟国に出遅れて「トランプ政権にTPPへの復帰を促す契機になる」とし、早期の発効を支持した。

 一方、九州大学大学院の磯田宏教授は、トランプ米大統領がTPPについて「はるかに良い協定になるなら」復帰を検討すると明言していることから、米国がTPPに復帰する場合、農産物で米国向けの市場開放分も含むTPP11の合意内容に加え、一層の自由化を迫られる懸念があると指摘した。政府の食料・農業・農村基本計画がうたう食料の安定供給の確保などが損なわれ、大型の経済連携を推進する政府の路線は「再検討すべき時期にきている」と訴えた。

 畑作農家で農民運動北海道連合会の山川秀正委員長も、TPP11の推進に反対した。同協定が発効し、関税収入が減れば、それを財源とする農家の経営安定対策が維持されるのか不安だと強調。家族経営や食料安全保障などを重視する必要があるとし「日本の農政理念の根本的転換の議論を求めたい」と訴えた。 
 

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