牛肉輸出 最多ペース 1~5月前年比 新興市場開拓45%増

 国産牛肉の輸出が過去最多ペースで増えている。財務省の貿易統計によると、今年1~5月の輸出量は前年同期比45%増の1276トン。昨年秋に輸出が解禁された台湾やマレーシアなどの新興市場がけん引する。台湾向けは現状、香港を上回り、国・地域別輸出先では最大となった。新たにオーストラリアとアルゼンチンへの輸出が解禁された中、日本畜産物輸出促進協議会は「牛肉輸出が伸びる余地は今後も十分にある」と期待する。

 貿易統計によると、1~5月の牛肉輸出量は前年同期より396トン(45%)増えた。昨秋以降に輸出が始まった台湾とマレーシアの両国向けが298トン。増加分の75%に値する。

 台湾向けは278トンと最多で、全体の2割を占めた。昨年9月下旬から輸出が始まり、今年は1カ月当たり50~60トンペースだ。現地では日本食レストランや高級スーパーに出回る。東京都内の輸出業者は「富裕層が多く、和牛の食べ方や調理方法が浸透している」と指摘。訪日経験がある消費者が多いことも消費を後押しする。昨年11月に解禁となったマレーシアは20トンだった。「長期間かけて拡大が見込める」と輸出業者はみる。

 一方、これまで主力の輸出先だった香港は7%減の266トンだった。前年まで増加が続いていたが、輸出業者は「富裕層をターゲットにした販売に勢いがなくなっている」と指摘する。米国は2%増の158トンで伸びは緩やかになっている。

 今後、牛肉輸出は新興市場に期待がかかる。日本政府は5月末にオーストラリアへの牛肉輸出を解禁した。JA全農インターナショナルは今月後半、「飛騨牛」を輸出する。同社は「既に現地の輸入業者から問い合わせが複数ある」と話す。

 6月末にはアルゼンチンへの輸出も解禁され、早ければ今月中に輸出が始まる。

 日本の牛肉輸出量は2017年が2706トン。近年は右肩上がりで伸びているが、輸入量57万トンに比べるとごくわずかだ。 

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