増水、氾濫…募る不安 列島各地で記録的豪雨続く

冠水した水田を無念そうに見つめる酒井代表(6日、京都府亀岡市で

流木や土砂に覆われた水田(6日、高知県安芸市で=JA土佐あき提供)

 記録的な豪雨が東、西日本で降り続いた6日、各地で河川の氾濫や土砂崩れなどが発生した。降水量が特に多かった京都府中部では広域で水田が冠水。高知県東部や福岡県など九州北部でも田畑の冠水や果樹園への土砂流入が確認された。強い降雨は続く見通しで、被害状況の確認もままならない状況だ。
 

48時間で1000ミリ超 高知県馬路村


 西日本、東日本に停滞した梅雨前線は6日、活動をさらに活発化させ、列島各地で豪雨に見舞われた。高知県馬路村では48時間で降水量が1000ミリを超えた。広域で土砂災害警戒情報や大雨、洪水警報が発令された。

 6日午前9時までの48時間降水量で、長野県王滝村538ミリ、岐阜県高山市340・5ミリ、同県関市413・5ミリなど13地域で観測史上最高雨量となった。同日午前9時までの24時間降水量は大阪府八尾市185ミリ、岡山県笠岡市143・5ミリなどが観測史上最高雨量を記録した。この他、幅広い地域で、7月の1位の値を更新した。

 観測史上最高ではないものの、高知県馬路村が同日午後5時20分までの48時間雨量1008ミリ、香美市が705ミリを記録した。
 

田が冠水農家落胆 京都府亀岡市


 京都府亀岡市保津町の一部では、断続的に降り続く大雨で多くの水田が冠水した。2013年にも大水害に見舞われた地域。またもや異常天候に農家は翻弄(ほんろう)されている。

 「これはあかん。またやられた」。完全に水に浸かった水田を見つめながら、同町の約50ヘクタールで米、麦、小豆などを生産する農事組合法人ほづの酒井省五代表は無念そうに語る。

 昨年は日照不足などで稲の生育は不良だったが、今年の生育はまずまず。「今年こそはおいしい米がいっぱい収穫できると期待していたのに」と肩を落とす。
 

ユズ園に 土砂流入 高知県安芸市


 高知県では6日までに、県東部で農業被害が確認された。JA土佐あきによると、安芸市を流れる伊尾木川が氾濫し、川に隣接する同市東川地区の水田やユズ園に流木や土砂が流れ込む被害が出た。JA管内では同市栃ノ木地区でも、ユズ園で同様の被害が確認されている。

 JAには他の地区からの被害情報も寄せられているが、雨が降り続いている他、道路の一部が冠水して現場に行けない場所もあり、十分な確認が取れない状況にある。雨は8日まで降り続く見込みで、今後も被害拡大の恐れがある。
 

対策本部 立ち上げ 九州各県


 九州では6日までに、各県が相次いで災害対策本部を立ち上げた。福岡県は災害対策本部を九州北部豪雨以降、初めて設置。佐賀県でも熊本地震の発生以来となる災害対策警戒本部を設けた。大分県や長崎県でも災害警戒本部をつくり、対応に当たっている。

 付近を流れる室見川が氾濫危険水位を超え、崖崩れのため一部で避難指示も出た福岡市早良区では、エダマメやナスなどの露地野菜が一部冠水した。

 6日昼すぎまでの24時間雨量が観測史上最高を更新した福岡県の北九州市。斜面の崩落で土砂が住宅地に流れ込み、複数の家屋が倒壊した。市やJA北九は終日、農業被害の調査に追われた。JAは市内の一部で水田が浸水するなどの被害を確認した。
 

中国、九州で 6県特別警報


 気象庁は6日、広島、岡山、鳥取、福岡、佐賀、長崎の広範囲に大雨特別警報を発表した。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水に最大級の警戒を呼び掛けた。特別警報は、従来の警報の基準をはるかに超える豪雨や豪雪、大津波などで災害のリスクが高まると予想される場合、気象庁が警戒を呼び掛けるために発表する。
 

用水路 近づかないで


 気象庁は6日、記者会見を開き、西日本と東日本の広い範囲で記録的な大雨が続いているとして、河川や用水路の増水、氾濫に厳重な警戒を呼び掛けた。太平洋高気圧の縁に沿って暖かく湿った空気が西日本と東日本に流れ込み、梅雨前線が停滞していることから、豪雨は断続的に8日まで続く見込み。

 同庁によると、広域で地盤が緩み、河川の増水や氾濫が起きている。長引く大雨で重大な災害が発生する恐れがある。

 同庁は「各地の避難勧告に留意し、暗くなる前に避難してほしい。農業用水路には近づかないでほしい」と呼び掛ける。

 8日には東シナ海に滞留している湿った空気が、徐々に北上して西日本に流れ込む影響で、さらに梅雨前線の活動が活発になる恐れもある。9日には太平洋高気圧が勢力を強めて、雨は弱まる見通しだ。

 7日午後6時までの24時間降水量の予想は四国400ミリ、九州300ミリ、関東甲信、東海、近畿、中国地方で200ミリ、北陸地方が150ミリ。 

 

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