国際協同組合デー 持続可能社会の旗手に

 今日は国際協同組合デー。世界で10億人の仲間が、より良い社会づくりに向け心を一つにする日。今年の世界共通スローガンは「協同を通じた持続可能な社会へ」。日本では無定見な農協攻撃がやまないが、世界では暴走する新自由主義や自国一国主義に歯止めをかけ、持続可能な未来を築くため「協同の価値」が見直されている。

 協同組合は、身近な暮らしに溶け込んでいる。JAや生協などの組合員は約6500万人。全世帯の4割近くが生協を利用し、国民の4人に1人が協同組合の共済に加入している。1次産業の振興や雇用の創出に貢献し、地域医療や福祉も担う。子ども食堂や若者の就労支援、クリーンエネルギーの地産地消など、その活動は広く深く社会に根付いている。

 でも、今日が何の日か知っている国民はあまりいないだろう。若いJA職員だって即答できないかもしれない。まして、世界の協同組合の先進モデルとされる日本の総合農協が、規制改革の名の下で攻撃にさらされていることなど関心外だろう。

 だからこそ、協同組合の役割と今日的意義をもっと発信し、再確認する日にしたい。国際協同組合同盟(ICA)が毎年7月の第1土曜日を国際協同組合デーに定め、今年で96回の歴史を刻む。国連がこの日を国際デーに認定してからも24回目となる。さらに今年は、農村信用組合を興した協同組合の父、ドイツのライファイゼン生誕200周年、日本の協同組合の先駆、賀川豊彦の生誕130周年の節目に当たる。

 今年のスローガン「協同を通じた持続可能な社会へ」は、先人が目指した姿であり、今日世界が抱える問題への力強いメッセージでもある。国連が2015年に採択した「持続可能な開発目標(SDGs エスディージーズ)」は、食、農、環境、貧困、教育などの分野で17の目標を定め、各国に30年までの課題解決を求めている。ICAはこれら諸課題に協同組合が積極的に関わることを宣言し、16年以降、協同組合デーの中心テーマに据え、深化させてきた。

 「協同組合の思想と実践」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録された理由も、社会的問題に対し創意工夫ある解決策を示し、実践していることだった。まさに日本の総合農協は、組合員の営農と暮らしを支え、地域社会に不可欠なインフラを提供する組織である。そして、今求められるのは協同組合同士のつながり。その母体となるのが4月に発足した日本協同組合連携機構(JCA)だ。同機構の主催で10日には記念中央集会があり、各団体が取り組みを報告し、SDGsの視点から論議を深める。

 私たちはどういう社会で生きたいのか。どうすればみんながつながり、長く続いていく社会を築けるのか。協同組合デーを契機に、自分事として考え、行動に移していこう。 
 

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