[手を携えて 協同組合間連携 2] JA兵庫六甲×コープこうべ 地域を守る移動販売 住民も手伝い 自治会活発に

JA兵庫六甲の移動販売車。コープこうべと週に1回ずつ運行する(神戸市で)

 JA兵庫六甲とコープこうべは、神戸市西区美穂が丘の買い物弱者を支援するために、連携して移動販売車を運行する。農産物に強みのあるJAと日用品などで品ぞろえが豊富な生協が、それぞれ週に1回販売。スーパーが撤退し、高齢化も進む同地区で買い物の機会を提供する。活動を維持するために、住民も ボランティアとして販売に協力。交流や安否確認の場にもなっており、協同組合が地域のコミュニティー維持に貢献している。

 同地区では昨年、唯一のスーパーが赤字などを理由に撤退した結果、高齢者を中心に 買い物が困難になる住民が出た。自治会会長の上田正義さん(81)は「車を持っていない年寄りはどうしたらいいのか」と当時の 困惑した状況を振り返る。

 そこで、自治体を通して地域の声を受けたJAが、まずは移動販売を開始。同じく要請のあった生協が同地区でテスト販売する際にはJAも協力し、利用者の買い物動向などを確認した。

 現在は、曜日を分けてそれぞれが移動販売車を走らせる。買い物の機会が増える上、品ぞろえも違うため、住民から好評だ。

 JAの営農相談員の谷井佑二さんは「生協と連携することで、地域の人が利用しやすいようにいい補完関係ができている」と話す。

 それぞれの販売状況を報告したり、住民の要望を聞いたりする場として、意見交換会も3カ月に1回ほど開く。

 上田会長は「普通の企業なら採算が合わなかったらすぐ出ていく。地域の人、高齢者を思ってできるのはJAや生協だからだ」と協同組合を評価する。スーパー撤退の経験も踏まえ、移動販売が持続するように住民自らも協力。商品の袋詰めや会場の設営を手伝うことで両者の負担を減らすとともに、来店者に飲料を振る舞うなど、利用者が集まるよう工夫を凝らしている。

 販売日には、買い物を楽しみにする多くの高齢者が集まるため、福祉センター職員が声掛けをすることで、安否確認の場としても活用している。

 上田会長は「地元住民の交流の場ができたことが一番大きい。以前は、隣人の顔を知らないことも普通だった」と話す。住民の交流が深まり、自治会活動の活発化などにもつながっているという。

 コープこうべ店舗事業部の平井寛さんは「今後もJAと協力することで、地域の活性化につなげたい」としている。 

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